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仏、路上セクハラにNO!

Japan In-depth / 2018年2月16日 18時50分

日本語訳にすると分かりにくいですが、「口説く」に対応するフランス語は「Drague」と書かれており、ナンパなど、軽い言葉などで人を引き付けるような行為を意味する時によく使われる言葉ですが、そんなただ口説こうとしただけで、職を失うことになっている男性がいることを擁護する内容になっています。

しかしながら、路上のセクハラを検討しているシアパ副大臣はこの内容に、ツイッターで即座に反応。

「ここに書かれているようにフランスで“膝を触った”からと解雇された男性なんて1人も知りません。もし存在するなら紹介して下さい。」


https://twitter.com/AsiaArgento/status/950709673048584192

https://twitter.com/MarleneSchiappa/status/950768426494189573?ref_src=twsrc%5Etfw

▲シアパ副大臣Twitter

要するに、シアパ副大臣が言いたいことは、ただ口説こうとしている「Drague」を問題にしているわけではないことを伝えたかったのだと思われます。#MeToo運動も、路上でのセクハラに対する法案も、セクハラ「Harcèlement sexuel」もしくは性的暴行「Agression sexuelle」を対象にしているのです。

また、この件に関してはシアパ副大臣は、ブルームバーグのインタビュー内でも、「単なる口説きと」と「路上のセクハラ」の違いについてこうも語っています。

「路上で声をかけたり、お世辞を言ったり、かわいいねと言うのには問題ありません。でも、後を付けたり、脅されたりすることは明かに嫌がらせです。」

「フランスにはフランス流の愛が存在し、フランスの一部の女性の間では、いまだに路上で声をかけられることは映画ワンシーンのようでロマンティックなことだと考える人がいますが、それは現実でありません。」

確かに、中にはロマンティックに声をかけられることも存在するのでしょうが、いつもそうとは限りません。フランスにいるとジョギングしているだけでも卑猥な言葉と共に口笛を吹かれ、ベンチに座って本でも読んでいれば突然隣に座ってきて性的行為をしようとをささやいてくるなどということが、日本よりも頻繁に起り、不快に感じたり、恐怖を感じることすらあります。

シアパ副大臣は、路上のセクハラの延長には強姦などの性的暴力に続く可能性も指摘します。フランスにおいて性的暴力として警察に届けられ裁判にまで至ったケースがこの12か月で17000件に上り、一日46件という多さ。しかも、その数は毎年約10%ずつ増え続けているのが現実なのです。

去年、Odoxaによって行われた調査によれば、生涯のうちでセクハラもしくは性的暴行にあったことがある女性は53%いると言う結果が出ています。また、91%の人が「セクハラは深刻な社会問題」と考え、路上のセクハラ防止法が必要だと考える人が80%を占めており、この法案に多くの人が賛成していることは間違いないようです。

ただし、「口説き」と「セクハラ」の定義は難しいところで、アンケート内でも大抵の項目では、ハッキリと違いを認識している人が多いものの、例えば口笛を吹かれることに関しては、「口説き」程度と受け止める人が51%、「セクハラ」以上と考える人が46%と微妙な結果となっています。こういったことから、路上のセクハラの定義に対しては慎重に論議されています。

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