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仏、路上セクハラにNO!

Japan In-depth / 2018年2月16日 18時50分

ところで、この路上のセクハラの法案をまとめるシアパ副大臣ですが、実は彼女こそ路上で受けるセクハラを始め、「フランスの女性が受ける現実」と戦ってきた人物と言っても過言ではないでしょう。

学生時代には、通学時に路上で毎回かけられる卑猥な言葉に耐えられず、通学経路を変えざるをえないことも経験したと言います。

また、23歳で結婚し、当時は広告会社で働いていましたが、夜遅くまで働くという生活であるのにもかかわらず保育園で預かってくれるのは18時まで。子供の世話をするために会社を辞めざるを得なかった経験も。

▲写真 出典:photo by Marvirbar

その後も、働いてない状態では子供を預かってくれる日数も限られており、いろいろな集まりに参加しても子供を連れて行かなければいけない状態。しかし子どもを連れているのは彼女だけということが多く、その場にいる人たちから「君の態度は真剣じゃない」と非難されることもあったそうです。

フランスは保育環境が充実していて、子供を預けることにまったく問題がないように報道されることも多いですが、実際は保育園も保育ママなどの環境も足りず、もちろん時間の制限もあります。

フランスでも、会社の面接での受け答えを学ぶ講習会では、「子供が病気になっても見てくれる人がおり、預かってくれる場所があるので一切問題はないと言い切りなさい。嘘でもそういうべきです。そこで躊躇すると雇い主に不安を与え、好印象を残せません。」と何度も念を押されることからもわかるように、働くために子供を預けられる場所がなく不安になったり、苦労している女性は今でも多く存在するのです。

そこで、多くの同僚たちが仕事と家庭の間で葛藤していることに気づいた彼女は、働くママが効率よく毎日を過ごせるアドバイスを交換できる場を作りたいと思い『Maman Travaille(働くママ)』というブログを立ち上げました。夫婦間でのバランスの保ち方、保育所の空きスペースを見つける方法など、ママの悩みへのアイデアをみんなで分け合ったのです。

▲写真 出典:クリエイティブコモンズ

1年に1回スピーカーを招いたイベントを開催し、政治家とママたちが交流する場を設けるようにもなり、今日ではフランス中に約1万人のメンバーがいる大きなネットワークを構築。こういった経歴が後押しとなり今の女男平等担当副大臣に抜擢されたと言っても過言ではありません。

現在でも続けられている『働くママ』活動のフェイスブック の中には、「日本でもこういった活動が行われています。私達もかんばりましょう」と言う言葉と共に、「日本における保育園を増やす運動」に関する記事も取り上げられていたりもします。

シアパ副大臣は、理想という盾におおい隠され外からは見えないところで犠牲になってきた女性の一人であります。が、しかし、彼女が違ったところは、隠された状態でいることを拒否し、現実を世間に知らしめ続けたところ。

こういったことからも、現実をしっかりと受け止めた上で、本当に助けになる案を構築し、「女性が生きていきやすい社会」を作ろうとしている熱意が見えてくるのではないでしょうか。

▲写真 出典:クリエイティブコモンズ

「日常的な性差別」解消を目的とした路上でのセクハラに対する法案を実現することで、少しでも女性が生きやすくなる社会になることが期待されます。今後この法案が実際に実現するのか、どのような影響を及ぼしていくのか気になるところです。

トップ画像:Photo by Jean-François Gornet

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