安倍改憲案、国民の選択の機会奪う 山尾志桜里衆議院議員
Japan In-depth / 2018年2月21日 10時32分
「細川珠生のモーニングトーク」2017年2月3日放送
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth 編集部(大野友佳子)
【まとめ】
・「自衛隊を明記するだけ」という安倍提案は、重要な安全保障議論に国民が向き合うことを妨げるもの。
・自衛権は個別的自衛権に限ると明文で範囲を定め、交戦権・戦力との関係は憲法上整理すべき。
・立憲民主党の中で議論し、国民に選択肢を提示することが野党第1党の役割。
今回のゲストは、衆議院議員立憲民主党山尾志桜里氏。安倍総理が積極的に発言をするようになった憲法改正の自衛隊明記について、今後手続きが具体的にどう進んでいくのか。自民党や、与党公明党の中でも意見が分かれている。
まず細川氏は、安倍総理が自民党総裁の意見として、憲法9条1項2項を残したまま自衛隊を新たな項目で憲法に書くと提案していることに触れ、この案に対して山尾氏の考えを聞いた。これに対し山尾氏は、「自衛隊を明記するだけとして、自衛権を統制せず、9条2項と現実の矛盾関係をも放置するのは、憲法改正と安全保障という極めて重要な議論に国民が向き合うことを妨げるような提案だ。」と厳しい見方を示した。
又山尾氏は、安倍総理の提案は「日本が通常兵力で五本の指に入る実力組織を持っているという現実と、戦力不保持・交戦権否認と定めている形式との矛盾について一切触れないまま、自衛隊を明記することで、その矛盾を憲法に固定化することになる」と指摘した。さらに「国益の観点から自衛権の統制ラインをどこに引くのかという重要な安全保障の政策論にも今回は踏み込まない」ことに対し、「国民を信じておらず、選択する機会を奪っている。」と厳しく批判した。
一方で山尾氏は「国民が我が国の安全保障の形をどう選択するのか、その選択を憲法にどのように位置付けるのか、本気で考えるきっかけにしたい。」と意気込みを見せた。
次に細川氏が「自衛隊と憲法を結びつけると一見、自分たちの力で守られていくと安全保障の面で前進するかと思われる。自分自身、自衛隊を明記すること自体反対ではないが、1項2項を変えないのなら実質的な内容はこれまでと同じだ。中身を変えるべきでは?」と安倍総理の改憲案に疑問を呈した。
これに対し山尾氏は、「2項を変えずに自衛隊だけを明記すれば、その自衛隊が行使する自衛権の範囲については憲法上の統制がきかず、法律事項に格下げされる。集団的自衛権を一部認めた安保法制以上に自衛の範囲を広げるか否かについても、今後、時の政権与党の判断にゆだねられることになりかねない。」」と述べ、「自衛『隊』を明記することが大事なのではなく、自衛『権』を国民の意思でしっかりと統制し、十全にここまでという範囲を定めることが肝だ。」と述べ、安倍総理の改憲案に異を唱えた。
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