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差別が過激思想の温床となる イスラム脅威論の虚構 その4

Japan In-depth / 2018年2月25日 13時56分

 

アリはまた、ローマ五輪で獲得した金メダルを、川に投げ捨てている。大会後、故郷に錦を飾ったと思っていたところが、地元のレストランは、アフリカ系の入店をにべもなく拒否した。ちなみに1984年に、ロサンゼルス五輪の開会式の後、同じ物が再度授与されている。

 

このように、人種差別への憤りをつのらせていた(当時の)カシアス・クレイが傾倒したのが、ネーション・オブ・イスラム中興の祖と言われるマルコムXであった。

 

白人を「悪魔」と呼ぶ彼の言動は、非暴力に徹することを呼びかけ続けていた、マーティン・ルーサー・キング牧師としばしば対比され、しばしば黒人社会からも「暴力を是認する過激派」などと白眼視された。ただし実際には、マルコムX自身が暴力沙汰に関わったり扇動したりしたことはない。

 

写真)キング牧師(左)と対面するマルコムX(右)1964年3月26日

出典)Marion S. Trikosko, U.S. News & World Report Magazine

 

ここで我々がしっかりと頭に入れねばならないのは、イスラムは本来、平和と平等を尊ぶ宗教である、ということだ。これは1960年代の後半から、人種差別撤廃を求める公民権運動が盛り上がるのと反比例して、ネーション・オブ・イスラムが影響力を失っていった事実によっても証明されるだろう。モハメド・アリ自身も1975年には伝統的イスラム(スンニ派)に改宗している。

 

彼が身をもって示したように、人種的・宗教的理由で差別を受けている若者にとっては、そのような差別構造こそ人生を賭けて戦うべき相手だということなのだ。逆に言えば、差別構造を廃してゆくことこそ、過激思想の蔓延に対する、最良の抑止力なのである。

 

トップ画像)ホワイトハウスで、ブッシュ米大統領から「自由勲章」を贈られるボクシング元世界ヘビー級王者モハメド・アリ氏。「自由勲章」は、米国で文民に贈られる最高の勲章(ワシントン)(2005年11月09日)

出典)flickr:ダイエリオエル・ウニヴェルソ

 

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