米司法省「ロシア疑惑」を否定
Japan In-depth / 2018年2月26日 10時51分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視 」
【まとめ】
・モラー特別検察官、2月16日に13人のロシア人を起訴。
・米司法省「トランプ陣営とロシアとの共謀はなかった」と強調。
・トランプ大統領は今後、ロシアの対米政治工作を糾弾すべき。
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アメリカのトランプ政権にからむ「ロシア疑惑」でモラー特別検察官が2月16日、13人のロシア人を起訴したことが発表された。アメリカの大統領選に不当に干渉したことによるアメリカの刑法違反という罪状だった。
写真)モラー特別検察官
出典)photo by Federal Bureau of Investigation
さてこの起訴をどう読むべきか。
トランプ陣営が大統領選でロシア政府と共謀して、アメリカ人有権者の票を不正に動かし、対抗馬の民主党ヒラリー・クリントン候補を不当に敗北させたのではないかという「ロシア疑惑」を追及する捜査はどうなるのか。
朝日新聞2月21日朝刊の記事は、「埋まる外堀」などという表現で、この起訴がいよいよトランプ大統領自身の罪状をあばく前段になるかのような基調だった。だが今回の起訴では「トランプ陣営とロシアとの共謀はなかった」、そして「ロシアの介入はアメリカ大統領選挙の結果を変えなかった」という二つの大きなポイントが事実として起訴の当事者であるアメリカ司法省代表から強調された。朝日新聞の同記事にはその大きな事実は出てこない。
もっともアメリカでも反トランプの政治スタンスを一貫して鮮明にしているニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストも「共謀はなかった」、「選挙結果は変わらなかった」という事実は軽視している。トランプ大統領糾弾の上では「不都合な真実」なのかもしれない。
ところがこうした起訴の展開はトランプ支持層からみると、まるで意味が異なるのである。「ロシア疑惑」の捜査の行方やトランプ大統領の命運を考えるうえでは、トランプ陣営の解釈を知ることも欠かせない。
その一例として共和党支持の活動家でアメリカのメディアでも活発な言論を展開するジョン・ボルトン氏の最近の論文の一部を紹介しよう。ボルトン氏は第43代大統領のジョージ・W・ブッシュ氏の政権で国連大使や国務次官を務めた。
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