習近平氏、絶対権力集中の二律背反
Japan In-depth / 2018年3月7日 13時59分
写真)「五つ星運動」のルイジ・ディ・マイオ新党首
出典)クリエイティブコモンズ Camera dei deputati
写真)レンツィ前首相
出典)Flickr European Parliament
さすがはイタリアだ。翌日になっても最終結果は出ない。それはともかく、要するに結果は、レンツィの中道左派が後退し、ベルルスコーニらの中道右派と反EUの右派が主導権を握るということか。それにしても、「五つ星運動」の伸びは注目に値する。一部には英国のEU離脱やトランプ現象に匹敵する事件とする報道もある。
イタリアは過去70年で70近い内閣を生んできた。今回の結果を如何に分析すべきか。イタリアで歴史が完全に繰り返されることはないだろうが、それでも歴史は押韻する。再びムソリーニが出てくるとは言わないが、イタリア総選挙後の連立議論は大いに要注意だ。
トランプ氏が実施を公言した鉄鋼・アルミ輸入品に対する関税問題も深刻だ。通商製造業政策局長から大統領補佐官への昇格が噂されるP・ナバロ氏は「対象国に例外を設けないことを大統領は決断した」と述べた。元来の対象は中国であったはずだが、国内政治上の理由でトランプ氏は強硬策を選択したのだろう。驚くべきことだ。
WTO協定を読めば一目瞭然だが、同協定上の「安全保障条項」は一種の禁じ手だ。拡大通商法232条を使うとは、実に姑息である。これが通るなら、何でも有りだ。当然各国はWTO紛争解決手続きに則り、パネルに訴えるだろう。ここで米国が勝てるとは到底思えない。遂にトランプ政権はその最も暗いダークサイドを発揮し始めたようだ。
〇 欧州・ロシア
欧州では重要政治イベントが続く。イタリア総選挙については冒頭述べた通りだが、ドイツではSDP党員投票でCDUとの大連立案が承認された。これでメルケル首相は一応求心力を回復した形だが、一体いつまで続くのか。イタリアで「五つ星運動」が躍進すれば、EU内でのメルケル首相やドイツ政府の立場は増々難しくなるだろう。
写真)メルケル首相(右)
出典)ドイツ政府
〇 東アジア・大洋州
5日からは第13期全人代第1回会議が始まるが、国家主席任期上限廃止問題については既に述べた通り。韓国ではオリンピックが終わり、朝鮮半島の緊張緩和と米朝対話準備の一環として、5-6日に国家安全保障室長と国家情報院長ら特使10人を北朝鮮に派遣した。壮大な時間の無駄が始まるが、誰にも止めようがない。
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