北朝鮮「目くらまし戦略」の成否は?
Japan In-depth / 2018年3月13日 23時7分
12日現在、気の早い内外メディアはもう会談場所の予測を始めているが、本当に米朝首脳会談が実現するかは「お手並み拝見」。英語の格言に「悪魔は細部に宿る」というのがある。トランプ氏に関する限り、あれだけ衝動的に決めたものは、同じく衝動的に中止される可能性がある。これだけは忘れてはならない。
以上を前提に、現時点での筆者の分析を書こう。以下は政策提言ではなく、あくまで将来起こり得る可能性のマトリクス分析だ。まず、米朝の誠意・本気度が高い場合を〇、不誠実で欺瞞である場合を×としよう。可能性は4つ、すなわち①米朝ともに誠実である○○、②共に不誠実な××、一方が不誠実な③〇×と④×○である。
①であれば対話成功で「非核化」が実現するが、その可能性は低いだろう。また、北朝鮮は誠実だが米国が誠実でない②のケースもちょっと考えにくい。いくら経済制裁が効果を持ち始めたとしても、現時点で北朝鮮が米国に白旗を掲げる可能性は高くないと思うからだ。個人的にはこうした分析が間違っていることを祈るしかない。
それでは北朝鮮が不誠実である場合はどうか。③の如く米国が誠実なら、トランプ氏はいずれ騙されることになる。下手をすれば、北朝鮮が主導する条件で「非核化」が進むが、実際に北朝鮮は核開発を断念せず、単に米国に届くICBMの開発が一定期間凍結されるといった事態で決着する可能性すら否定できない。
最後が②の米朝双方とも不誠実、すなわち相手の言うことを基本的に信用しない立場を続ける場合だ。当然対話の決裂は時間の問題となり、状況は昨年の12月31日の段階まで戻る。しかも、今後米朝間にこれ以上の対話の可能性はなくなり、事実上「外交的手段は尽きた」と判断されるかもしれない。
以上は単なる頭の体操である。米朝関係を複雑に考えるのも良いが、基本的にはこれら①~④の可能性しかない。この問題はある程度単純化して考えても良いのではないか。以上が現時点での筆者の分析だが、ここでは政策提言は行わない。もう暫く関係諸国の動きを見た上で、いずれ政策面の議論を進めていくことにしよう。
〇 欧州・ロシア
EU関連の会合は相変わらず。12日にはユーロ圏諸国がギリシャ債務問題など経済問題について議論する。15日にはドイツでメルケル首相が再選される。同日にはベルリンで欧州諸国と米国の関係者がイラン核合意に関する会合を開く。トランプ氏による合意破棄とならないよう、米欧間での駆け引きは続いているのだろう。
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