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イスラム圏永遠の禁句「十字軍」 イスラム脅威論の虚構 その6(下)

Japan In-depth / 2018年3月19日 10時32分

写真)赤狩り(山本おさむ・著)カバー

出典)Amazon

 

この漫画には出てこないが(2018年3月初旬現在。『ビッグコミックオリジナル』にて連載中なので、そのうち出てくるかも知れない)、マッカーシズムに同調して、積極的に共産主義シンパの摘発につとめたハリウッドの映画人たちもいた。

その旗振り役が、当時若手俳優だったロナルド・レーガンで、言わずと知れた後の40代大統領だが、彼らは複数の反共主義組織と連携して「自由十字軍」を名乗っていた。

写真)ドナルド・レーガン元大統領

出典)パブリックドメイン

 

この文脈で見る限り、ジョージ・ブッシュJr元大統領が”crusade=十字軍”と口にしたのも、もしかしたら本当に「全イスラムを敵視した発言ではない」のかも知れない。

しかしながら、やはり言ってよいことと悪いことはあっただろう。

彼はまた、こうも言った。「この戦いに中立などはあり得ない」

そして実際、当時のアフガニスタン政府が、ビンラディンが同時多発テロを主導したというたしかな証拠を示せば、こちらで逮捕して身柄を米国に引き渡す、と言っていたにもかかわらず、空爆が強行された。

これでは、アメリカ合衆国を支持しない者はすべて「異教徒」であるとして、蛮行を聖戦と言い張る「十字軍的発想」だと決めつけられても仕方あるまい。

もちろん私は、ISが無差別テロを実行するたびに「十字軍をなぎ倒した」などと発言することに、少しのシンパシーも示すものではない。ただ、イスラム系市民の心情をまるで考慮することなく十字軍などと口にした、元大統領の思慮のなさに憤りを禁じ得ないだけである。

 

(この記事は、だから「十字軍」は憎まれる イスラム脅威論の虚構 その6(上)の続き)

 

トップ画像)アンティオキア攻囲戦(第1回十字軍)1897年10月~1898年6月

出典)Adam Bishop 絵の作者:Jean Columbe

 

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