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何のための東京五輪?その2 予算評価・検証の仕組み 東京都長期ビジョンを読み解く!その58

Japan In-depth / 2018年3月20日 16時6分

先日、私はある都内の駅で困っている外国人に対して、地下鉄の行き先を説明してあげた。私のように英語を喋れる人がちょっと配慮して行動すればいいのだから、こんなにお金をかけて「官製」ボランティアを育成する事業が本当に必要なのかとも思った。東京はインターナショナルな都市だし、それだけの人材がいるし、そのころにはスマホもますます性能が発達しているだろうし、とも思う。



■ 「見える化(可視化)」されているとはいえない五輪予算


「東京都予算案の概要」を見ていて思うのは、関連事業がどこにどうつながっているのかが「見える化」されていないことだ。


24ページにて、以下のように関連事業は抽出されている。しかし、




・歳出:7兆460億円は目的別内訳(福祉と保健、教育と文化などの分類)に


・2020年に向けた実⾏プラン:1兆5,444億円



2020年に向けた実⾏プランは23の戦略に分かれているため、どの施策のどの事業から構成されるのかがさっぱりわからない。


「東京2020⼤会の成功に向けた取組「東京都の負担額(見込み)」として、示された詳細が24ページ(図1左側に内容示す)の通り。「主要な施策別」として、各事業とその予算が並んでいるのだが、その中で80ページ(図1右側に内容示す)「東京2020⼤会の開催に向けた準備」として1,146億円の詳細が書かれている。しかし、左側と右側で整合性が取れない。



▲図1 30年度予算案における「五輪予算」 出典 東京都予算案の概要


左右がどのような関係なのかわからないので、直接都に問い合わせてみたところ、左側は予算の中にちりばめられた事業から関連する事項を抽出し、ざっくり整理して分けているとのことだ。つまり、予算資料から特出ししたため、このようにまとめられたということだ。そして、右側が「主要な施策」という分類での事業のリストとなる。左右のつながりは見えない。


これでは




・関係性・関連性がわからない


・都の「施策」にどの事業がどのようにちりばめられているのかがわからない


・しかも、担当部局がわからない


・整合性や関係性は見えない



というありさま。これでは説明責任を検証できない。



■ 評価・検証する仕組みはこれでいいの?


さらに、継続事業である「外国人おもてなし語学ボランティア育成事業」の事業評価票を見てみよう。29年度の評価結果が見当たらないので、少し古いものになるが、以下図2に示す。注目は「2.どのように取り組み、どのような成果があったか」欄の記述である。


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