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デンマーク 広がる電子化の波

Japan In-depth / 2018年3月20日 19時0分

デンマーク 広がる電子化の波

安岡美佳(コペンハーゲンIT大学アシスタントプロフェッサー・北欧研究所 )

田中亜季(北欧研究所)

【まとめ】

・国民の75%以上が電子決済で支払うほど電子化が広がっている。

・強盗などは減ったがカード犯罪が増え、犯罪率は減少せず。

・銀行は犯罪対策のみならず大学と連携し将来の銀行の姿を模索。

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真の説明と出典のみ記載されていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttp://japan-indepth.jp/?p=39047で記事をお読みください。】 

 

■ 日常生活にまで広がる電子化

デンマーク人である友人の祖母(76歳)は、2年前に携帯をスマートフォンに変えた。最初は慣れずに苦戦していたようだが、孫の助けもあり、今では難なく使いこなせているという。

デンマークでは、スマートフォンを扱う高齢者を見ることが少なくない。社会の電子化が進んでいると言われるがなるほど、バスの定期券すらスマホ画面にある。フィンテック企業の発展も著しく、デンマークでは企業の請求・会計業務等もすべてオンライン上で完結してしまう。電子請求のプラットフォームを構築するTradeshift(トレードシフト)は、デンマーク国内での電子請求や書類のやり取りを簡易化し、業務時間を大幅に削減したと言われている。デンマークではもはや、紙の請求書のコピー、郵送、原本保管などのアナログな作業は必要ないのだ。

▲写真 車内で難なくスマホをつかいこなすシニア層 撮影:田中亜季

ご近所のスーパーマーケットで買い物をするだけで、デンマークが電子化の進んでいる国だと実感できる。まわりをみると、現金での支払いをする人は少数派である。

デンマークではキャッシュレス決済システムが年々広がっている。デンマーク中央銀行のデータによると、デンマークの現金支払い率は約23%だ。ほかのEU加盟諸国よりも現金使用率がはるかに低い。つまりデンマーク国民の75%以上は支払いを電子決済で行なっている。おそらく、全国民の9割以上が所有しているデンマーク独自のデビットカードDankort(ダンコート)(注1)や、電子決済アプリMobilePay(モバイルペイ)(注2)を利用しているのだろう。最近のトレンドは、コンタクトレスカードの普及である。少額の決済であれば、カードをICカードリーダー端末にかざすだけで、暗証番号を打ち込むことすらなく決済できる手軽さが好まれている。

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