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露、蛮行も平然かつ確実に実行

Japan In-depth / 2018年3月21日 18時31分

露、蛮行も平然かつ確実に実行

宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)

宮家邦彦の外交・安保カレンダー2018#12

2018年3月19-25日

【まとめ】

・蛮行も平然なロシア、これほど政治の実態が変わらぬ国はない。

・「移行期間」1年9か月で合意。EU離脱後の英国の姿見えず。

・大統領選で圧勝した地でも見え始めたトランプ神話の陰り。

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttp://japan-indepth.jp/?p=39083でお読み下さい。】

 

今週はお詫びから始めたい。18日にロシアで重要な大統領選挙があったにも関わらず、先週は全くコメントしなかった。プーチン再選があまりに明白でロシア内政に殆ど変化が期待できなかったからだが、理由はともかく、やはり先週は何かコメントすべきだった。米朝首脳会談の話に忙殺されたためだが、それは全く理由にならない。

それにしても、ロシアは実に強い国だ。政治制度や理念に普遍性や魅力があるからではない。数少ない優れた産品である武器も特に最先端技術の集大成ではない。それでもロシアが強いのは、外国が如何に批判しようと、自国が如何に孤立しようと、彼らが必要と思えば、如何なる蛮行も平然と、かつ確実に実行する力があるからだ。

▲写真 大統領選挙が終わった後、ロシアと外国のジャーナリストからの質問に答えたプーチン大統領 出典 ロシア大統領府

その典型例が最近の英国での元ロシア人スパイ親子暗殺未遂事件である。冷戦時代のスパイ映画を彷彿させるこの事件に英国政府はカンカンだが、ロシア政府は完全に無視している。政治体制が社会主義であろうが、民主主義もどきであろうが、これほど政治の実態が変わらない国は少ない。恐らく中国が民主化しても同様だろう。

ジョージ・バーナード・ショー作の喜劇『人と超人』に次のようなセリフがある。「全ての歴史は(天国と地獄という)両極端間にある世界の振動の記録に過ぎない。歴史の一期間とは振子のひと振りでしかないが、これが常に動いているので、各世代は世界が進歩していると思っている」ロシアの歴史も基本的にはこれと変わらないのだろう。

ほぼ同時期に、中国では習近平氏の終身国家主席が決まり、ロシアゲート特別検察官の解任を密かに企む米国のトランプ氏は、民主制度の真髄である三権分立下のチェック&バランスという概念自体に嫌悪を隠そうとしない。これに対し、日本ではモリトモやカケ問題で長期政権が追い詰められている。真の民主国家は日本である。

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