「働き方改革法案、今国会で成立目指す」衆議院議員橋本岳氏
Japan In-depth / 2018年3月27日 13時0分
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth 編集部(大川聖)
「細川珠生のモーニングトーク」2018年3月10日放送
【まとめ】
・裁量労働制の削除は、データの比較とそれを基にした答弁が不適切で国民や国会に混乱を招いたことに対応するため。
・働き方改革関連法案は今国会での成立を目指す。
・働き方改革がどのように経済活性化につながるか議論すべき。
働き方改革で、裁量労働制を導入するにあたり、厚生労働省が行った労働時間に関する調査のデータに不備があったことが発覚した。また、働き方改革関連法案から、裁量労働制の拡大を全面削除することを安倍総理が決断した。どのような議論がされているのか、政治ジャーナリストの細川珠生氏が衆議院議員で自民党厚生労働部会長の橋本岳氏に話をきいた。
■ 国会で問題視されたことの実情
細川氏は「与党の部会長として一件についてどう感じたか。」と質問した。
橋本氏はまず、不備があると指摘されたデータについて、「一般労働者は一番長い労働時間で(あるのに対し)、裁量労働制適用者は普通の労働時間を調査したものだった。それを何の断り書きもなく並べ、一般労働者の方が平均(労働)時間が長く見える表を作成した。それを基に加藤大臣や総理が平均(労働)時間が一般労働者の方が長いデータがある、という答弁をしたが撤回した。」と説明した。
また、法案から裁量労働制を削除した理由は、「(データの)比較が不適切で、それを基に不適切な答弁をし、国民や国会に混乱を招いてしまったことに対応した。」とする一方で、「裁量労働制だけでなく、中小企業に猶予されていた割増賃金を、猶予せず大企業と同じにすること等も、もともとのデータに基づいて議論されているが、今回それは(法案から)外すことになっていない。」と述べた。
その上で、与党の部会長として、「法案は今まさに与党の厚生労働部会で議論をしている最中。政府から法案の一部を撤回することとその事情の説明を受けたが、やはり党内でも大きな批判があった。
裁量労働制について私たちは生産性向上や色々なことのために必要だと思っていたが、外すこともやむなしだと考えている。」と答え、裁量労働制の適用範囲を拡げる法改正は撤回し、裁量労働制については改めて調べ直す考えを示した。
■ 働き方改革関連法案の意義
細川氏は「働き方改革は大事な視点だが、一方で日本人の生真面目さや長く続いてきた社会の風土はそうそう変わらないのではないか。家庭より仕事という価値観があると、いかに生きるかということを考え直さなければ、いくら制度を変えても日本社会においては変わらないのでは。」と述べ、働き方改革は、生き方改革そのものだ、との考えを示した。
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