米最大の情報機関トップに日系米人
Japan In-depth / 2018年4月7日 18時10分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視 」
【まとめ】
・国家安全保障局(NSA)トップに初の日系米人ナカソネ氏就任。
・対米サイバー攻撃には積極果敢に反撃していく意向。
・国家安全保障局などの役割は今後一段と重大になる。
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アメリカ政府の各種情報機関の中でも最大規模の国家安全保障局(NSA:National Security Agency)の長官に日系米人のポール・ナカソネ陸軍中将が任命され、4月中の議会の承認も確実となった。その結果、日系人では初めての主要情報機関のトップとなるナカソネ氏は同時にいま重要性を増す米軍サイバー軍の司令官にも任命された。
▲写真 メリーランド州の国家安全保障局本部 出典 NSA
国家安全保障局はアメリカ政府の情報収集機関では中央情報局(CIA:Central Intelligence Agency)を越える最大規模を誇る。首都ワシントン近郊のメリーランド州内の巨大な本部は全世界各地に拠点をおき、アメリカの安全保障にかかわる各国の情報を電子機器などを使って集める。国防総省の関連機関でもあり、その職員は3万数千人にのぼる。とくに潜在敵国の軍事関連情報を衛星偵察や通信傍受など機械的な方法で取得し、暗号をも解読し、分析する。
ナカソネ中将は大学卒業後の1986年にアメリカ陸軍に入り、インテリジェンス専門の職業軍人として活動してきた。イラクやアフガニスタンという戦闘地域での軍務経験もあり、とくにハイテク使用の電子やサイバーを駆使しての情報収集の経験を積んできた。その結果、2016年には陸軍のサイバー軍司令官に任命された。
▲写真 ポール・ナカソネ陸軍中将 出典 US Army
今回の人事ではナカソネ中将は国家安全保障局の長官職とともに、陸軍、海軍、空軍にそれぞれあるサイバー軍司令部を米軍全体として統括する米軍サイバー軍司令官をも兼任することを命じられた。
ナカソネ氏は今年3月の上院軍事委員会の公聴会で国家安全保障局長官としての抱負や適性を問われ、ロシアや北朝鮮の秘密動向の把握が重要な点を強調し、アメリカに対するサイバー攻撃にはとくに積極果敢に反撃したいという趣旨の発言をしていた。最終的な長官就任には上院の承認が必要だが、その可決は確実だという。
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