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仏国鉄スト、政府改革案に抗議

Japan In-depth / 2018年4月8日 9時28分

そこで、この特権階級とも呼ばれるようになった労働法を、段階的に一般の労働条件に合わせていく事が目指されているのですが、しかし、そう簡単なものではなく、SNCFへの改革は歴代のフランス政府にとって最も難しい案件の一つとされてきました。

1995年のジュぺ首相においての改革は、1カ月近くストライキが行われ交通が麻痺し、最終的には政府が改革案を撤回せざるをえなくなりました。労働者の足となる鉄道がストップされた場合、当然ですがフランス国内は大混乱に陥ります。この大型ストの影響で1995年のフランスの第3四半期のGDPは0.1ポイント下がったとも言われており、改革をすることは必要と分かっていても、他の影響を考えると強固に進めることができないのがSNCFに対する改革。

しかしながら、ジュペ首相時代の大型ストからすでに時は23年流れ、時代は変わりました。1995年とは利用者を取り巻く環境も変わってきています。

まず2007年、新保守主義路線を掲げていたサルコジ氏により、ストライキの際にも公共交通機関の最低限の運行を義務づける法律が制定されました。そのため、ストが行われても1995年時とは違い現在は最低限の運行が行われています。

また以前は法律でSNCFの独占主義が保障されていたため、フランスの国内に長距離バスがありませんでしたが、2015年、いわゆるマクロン法で規制が緩和されました。長距離バス路線の開設が自由化され、マクロンカーまたはマクロンバスと呼ばれる長距離バスが、現在ではフランスの各都市を結ぶ路線が展開され安い値段での長距離の都市間の移動が可能となっており、今回のストでも多くの人に利用されています。その他にもインターネットや携帯電話の発達が大きく変化をもたらしました。

▲写真 フランスの長距離バス OUIBUS 出典 OUIBUS

マクロン政権において2017年に従業員が会社に対してオフィス以外の場所で働きたいと申し出る権利を認める新たな労働法案を可決。スト当日、会社に出勤することをあきらめ、ノート型パソコンとインターネットを使って自宅で仕事をすることも可能になりました。

そして、特に今回のストで大きく注目を浴びたのは、車の運転者と相乗りを希望する人をつなぐサービスを提供している業界大手の「BlaBlaCar(ブラブラカー) 」や「Karos(カロス) 」など、新しいタイプのカーシェアリング会社の大活躍。

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