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ザッカーバーグがぼやかす問題の本質 下

Japan In-depth / 2018年4月12日 11時0分

ザッカーバーグがぼやかす問題の本質 下

岩田太郎(在米ジャーナリスト)

「岩田太郎のアメリカどんつき通信」

【まとめ】

・ユーザーデータを利用し数兆億円規模の収益を上げるフェイスブックの体質は変わらない。

・フェイスブックは“広告表示なし”版の有償提供を考えている。

・フェイスブックは情報と権力の非対称性に特徴づけられ、構造的に一方通行。

 

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttp://japan-indepth.jp/?p=39433でお読みください。】

 

世界最大の交流サイトであるフェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が米議会での公聴会で行う証言に、世界の注目が集まっている。

米『Inc.』誌は、①心からの謝罪をするか、②言い訳がましくならないか、③「弊社」や「我々」の代わりに「私」を使ってCEOとしての責任を取るか、そして④最初から勝ち目のない論争に勝つのではなく、議員に良い印象を与えられるか、が見どころだとする。

だが、たとえザッカーバーグCEOがこれらの高いハードルをクリアして、議会証言というショーを切り抜けられたとしても、臭いものに蓋をしただけに終わるだろう。ユーザーの知らない間に追跡・監視を行い、そのデータを徹底利用して数兆億円規模の収益を上げるフェイスブックの体質は変わらないからだ。

情報と権力の非対称性という根源的な問題は温存される。そして、それはユーザーとの関係性が歪み、持続性に欠けるため、必ず再び問題化して頭をもたげる。

 

■ プロファイリングは一方通行

フェイスブックは、セキュリティのためと称してユーザーから提供される電話番号や、フェイスブックのメッセンジャーや傘下インスタグラムにおけるアクティビティの内容も、アンドロイドスマホにおける通話記録やメッセージの中身も、訪問したウェブサイトの履歴も、すべてを追跡・記録して、ユーザーの知らぬ間に広告対象としてのユーザー像を組み立てるために使っている。

加えて、フェイスブックは、プラットフォームでつながった他サイトやアプリを通じてデータを収集している。「いいね」ボタンやウィジェット、フェイスブック上の広告からも、あらゆるシーンでデータは収集・分析されている。

 

▲写真 フェイスブック本社 Flickr : Anthony Quintano

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