中小企業が危ない 迫る中国・新興国
Japan In-depth / 2018年4月27日 0時38分
ところが2004年に父が急逝すると、社員たちの要請もあってダイヤ精機の社長に就任することとなる。“この会社に決着をつけることが私の使命”と考え、32歳で社長を引き受け、アメリカ行きをやめ6歳の子供と日本に残ることに。4人の社員に退職してもらうとその効果でまもなく黒字に転換し一息つく。
■ 気がついたことは何でもノートに
その後、社員からも再建策を提案してもらい、リーマンショック時は倉庫を整理してレンタルスタジオにしたり、不採算部門をカットし、社員と交換日記を交わすなど人材育成、人材募集に力を入れる。
募集しても応募がないので調査すると、会社紹介にゲージの作成とあったので「自動車」の文字を入れたりした。1ヵ月に部品約1万点を出荷。図面7000枚を描く仕事内容だったが、ゲージといった専門用語の入った会社案内では会社の内容が伝わっていなかったこともわかり、自動車の文字を入れた途端に人が集まりだしたこともあったという。
「20代の時は言われたことをやるだけ、30代はやらなければならないことで精一杯だったが、40代になって行動に知識が追いつき、将来の夢をみるようになった」と述懐し、「40代の今が一番楽しい」という。思いついたことは何でもノートに書きつけ、まず大丈夫というところからスタートし、それを成功させるために経営計画を作ること、自分の会社の強味を顧客に聞き、そこを徹底的に伸ばすことが大事。ウチは納期がしっかりしているといわれたので、さらに短縮する努力を重ねたともいう。
いまや年に100回近く講演なども頼まれる身となり、ピンチになると燃えるタイプなので「高知城に行った時などは、大声で天下を取ってやるぞ」と叫んでストレスを解消し自らを励まし、「会社の人達が大田区に一戸建ての家を建てられるようにするのが今の夢だ」と笑う。
■ 旋盤工を50年続けながら作家に
約50年にわたり旋盤工職人として大田区の工場で働き、作家、ノンフィクションライターとして中小企業の現場をリアルに描き続けてきたのが小関智弘氏である。「錆色の町」「地の息」で直木賞候補、「羽田浦地図」「祀る町」で芥川賞候補、「大森界隈職人往来」で日本ノンフィクション賞などを受賞している。
退職するまで工場の現場で働き続け、執筆も続けてきた労働者であり異色の作家だ。「鉄は春まで匂った」などみずみずしいタイトルで、中小企業の現場や労働の姿を描いた文章は、現場で50年も働いてきた職工だっただけに他の追随を許さないリアリティと汗や油の匂いがあり、工場文学の見本とさえいわれた。
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