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中小企業が危ない 迫る中国・新興国

Japan In-depth / 2018年4月27日 0時38分

町工場には金型職人、プレス工などの部品職人がいるが、特にプレス工は1ミリ以下の製品から人工衛星の部品まで作り、まさに日本の工場、機械の現場を支えており、日本のモノづくりの象徴ともいえる人々だ。東は大田区蒲田、西は東大阪が両横綱格とされた。

小関さんが町工場の現場の様子を語る時は生き生きとしており、とても80代の人とは思えない。しかし9000以上あった蒲田の工場も今は4000を切るぐらいまでに減ってしまい、その上現在の工場の経営者は大半が70代前後で、従業員数も10人前後がほとんどだから、本当に日本の中小企業は危機的状況にあるという。2017年の休廃業企業は約2万8000社、しかし約半分が黒字なのに後継者がいないため廃業に追い込まれてしまうのだ。

中小企業の多くは後継者を見つけたり、育てたりしないうちに70歳前後になってしまうので、結局廃業せざるを得なくなるようだ。戦後の苦しい時期を少人数で乗り切ってくることに精一杯で、後継のことを考える余裕もなかった。後継者を育てるには2-3年から5年はかかるとみる人が50%、5-10年は必要とみる人は30%もいる現状からすると、やはり50代のうちに後継者のことを考えておく必要があるのだ。

経産省の試算によると、このまま後継者問題を放置しておくと2025年までに約650万人の雇用が失われ、22兆円のGDPが減少する可能性もあるとされる。

▲図 中小企業の経営者年齢の分布(年代別) 出典 経済産業省

■ 中国、東南アジアの追っかけが不気味

中小企業に身を置きながら冷静に中小・零細企業を見てきた小関さんによれば、「日本のモノづくりの力はすごい。しかし今や中国や東南アジアもどんどん追いついてきているので先行きは心配だ」といい、中小企業を抱える大企業も昔のように自ら投資・開発・研究をしなくなっており、安易にM&Aに走る傾向があるのでその点も日本の技術力、企業力を弱めてしまうのではないかと危惧する。

約900万社といわれる中小・零細企業なくして日本の工業力や技術継承は危なくなることを本気で大企業や政府が考えないと徐々に基盤が弱体化し、新興国に抜かれる日が来るだろうと小関さんは警告していた。

トップ画像:イメージ図 Pixabay photo by Jarmoluk

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