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英語で深まる日米柔道交流

Japan In-depth / 2018年4月27日 7時0分

金丸氏はいま38歳、現役引退からもう10年近く、しかも73キロ級だから身長も170センチほどで、柔道選手としては小柄である。アメリカ側のほとんどの選手よりも小さい。この点はここ数年、日本からワシントンにきた選手たちがみな大柄の100キロ超級だったのとは対照的だった。

▲写真 海軍士官学校の学生に柔道の心構えを解説する金丸氏(中央) 提供 海軍士官学校柔道クラブ

ジョージタウン大学ワシントン柔道クラブでは巨漢も多く、金丸氏の二倍もの体重の130キロぐらいの黒人選手が練習を申し込み、金丸氏をなんとか一度でも投げようと必死で攻撃し続けたが、通じず、逆に金丸氏にみごとに投げられていた。さすが世界級の柔道家である。

その金丸氏が指導の際、投げ技や組み方をすべて自分の英語で説明したのだ。最近の日米交流では日本の一流選手たちがきたが、指導での説明は通訳が入る場合が多かった。それでもなにしろ技術が優れているから、米側からは感謝された。

ただし正確を期すために強調するならば、日本の柔道家でも海外経験が豊かで、国際交流を重視する山下泰裕、井上康生、塚田真希といった指導者たちは英語の水準も高い。みな日本語の通じない外国人たちに英語だけで柔道解説する才を持っている。

だが現役の選手となると、海外の経験もふだんは少なく、英語を勉強する余裕もない、ということだろう。ワシントンでもここ数年、来訪した現役選手たちはアメリカ側の指導にあたっても、英語を使うことはきわめて少なかった。

ところが今回の金丸コーチは現役でこそないが、現役並みの稽古と指導ぶりだった。そしてジョージタウン大学ワシントン柔道クラブでの米側のベテラン選手たちに対しても、海軍士官学校の大学生の男女柔道部員たちに対しても、すべて英語で接し、細かな技術まで英語で説明したのだった。彼の英語は決して立て板に水という流暢さこそないが、きわめて正確、的確で、アメリカ側にはびしりと通じていた。

▲写真 ジョージタウン大学ワシントン柔道クラブで米側選手の技に助言する金丸氏(右) 提供 ジョージタウン大学ワシントン柔道クラブ

そしてアメリカ側の柔道家たちの金丸氏への反応が格段と熱っぽく密になったのに驚かされた。明らかに共通の言語での直接の意思疎通が交流を一段と深めたのだ。アメリカ側の受け手たちが「直接に英語で説明してくれるので、わかりやすい」「彼の英語での解説と実技にはつい引き込まれた」と次々に私に告げるのだった。

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