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塾がないデンマーク 変わる教育制度

Japan In-depth / 2018年5月22日 16時0分

■デンマークの教師職は国家資格ですらない。

写真)授業風景©田中亜季

それでは、勉強が苦手な子は(苦手な親を持つ子は)どうするのか。彼らは、「自分が得意な道を探す」。専門学校へ行き、合わなかったらまた違う専門学校へ行き、資格を取る。気になってもう一つ質問してみた。「勉強が得意じゃないけど、勉強がしたい子は?」何を言っているの?という顔をされた。「それならその子は頑張って勉強するでしょう?」

 

■職業に貴賤がない国「みんな違っていい」

デンマークでは、高校卒業後に盛大なパーティがある。2週間かけて、盛大なお祭りをやる。お酒を飲んで飲んで飲みまくり、羽目を外す生徒もいて、卒業を祝う。なぜそこまで盛大に行うのか。理由の一つは、高校卒業が生徒たちにとって大きな分かれ道となるからだ。

実は、デンマークの大学進学率は約3割。大学に進学した場合は、だいたい大学院までそのまま進む。そのほかの学生は専門学校へ行ったり、ジョブトレーニングをする学校へ行ったり、働き始めたりする。大学へ行かない若者がマジョリティなのだ。

さらに、高納税社会のため、学歴と給与(after tax)が比較的相関しない。もちろん学んできたことと職業は関連性があるが、学歴と社会的地位にはそこまで関係性がない。つまり、職業に貴賤がない。わかりやすく言えば、日本でみるような、「〇〇大学出身です」「すごいですね」、「〇〇企業に勤めています」「すごいですね」といった会話はデンマークにはない。

学歴があることが一種のステイタスになっている日本。得意なことを伸ばし、向いていることを仕事にするデンマーク。デンマーク人の多くは、勉強ができるのは、自分の努力の結果だけではなく、単なる環境要因だとか、ただの個性のひとつだと知っている。

しかし、完璧な社会などない。行きたい大学に行けなかったから、もしくは自分の成績ではやりたい勉強ができなかったから、ほかの選択肢を探しに「フォルケホイスコーレ」へ行って将来について考えるという子もいる。《参考:国が支えるフリースクール フォルケホイスコーレとは? デンマークの「人を幸せにする仕組み」5(上)フォルケホイスコーレ留学はお得? デンマークの「人を幸せにする仕組み」5(下)

 

デンマーク人は平均30歳前後で正式に働き始める。ちなみに、2018年度の調査で修士卒業年齢が最も多いのは30-34歳である。この世界的にみても遅い入職年齢の理由は、ギャップイヤー取得頻度の高さと、それに伴う就学期間の長さ。この長い就学期間中に自分に合った働き方を探し、フレキシキュリティ制度(注1)で何度も転職をして自分に合った生活を探す。こうやって、デンマークは「幸せの丈」のバランスをとってきたようにも見える。

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