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塾がないデンマーク 変わる教育制度

Japan In-depth / 2018年5月22日 16時0分

 

■恵まれた教育制度が変わる

しかし、この社会を支えてきた教育制度が変わりつつあるデンマークの教育費は、基本無償。加えて、いつでも何度でも勉強のやりなおしが認められてきた。つまり、飽きてしまったり心変わりしたら、その途中で学校・専攻の選びなおしができたのである。さらに学生期間中にはSU (Statens Uddannelsesstøtte) と呼ばれる給付奨学金が毎月支給される。

しかし、社会の高齢化や、移民増加の影響もあり、教育費は国の財政をひっ迫させている。世界一教育にお金をかけているデンマークはその予算を削減する一環として、2017年1月から大学の学部生は、”何度もやり直し”を認めなくなった。さらに今は、ギャップイヤーを短縮、ないし取得しない学生の大学合格率を上げるなど、入職年齢を引き下げる方向に動いている。この新たな政策の影響からか、学生たちは職業に直結する学部を選択するようになってきた。

学習塾がなく、受験戦争のないデンマーク。しかし、これからは競争社会(compete society)に変容してゆくだろう、とユランドポステン(Jyllands-Postens)紙(大手日刊紙)編集長は話す。この教育制度の改革の波に、この民主主義社会が、そしてデンマーク国民たちがどのように対応していくのか、今後もぜひ追っていきたい。

注1)フレキシキュリティ制度

フレキシビリティ(Flexibility)とセキュリティ(Security)の合成語。雇用の柔軟性を担保しながら、失業保障で労働者の生活の安定を図る制度。

*トップ写真)授業風景©田中亜季

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