「共産党が慰安婦を迫害」中国政府系学者
Japan In-depth / 2018年5月31日 11時0分
島田洋一(福井県立大学教授)
「島田洋一の国際政治力」
【まとめ】
・セクハラ・スキャンダル渦中の高銀氏の慰安婦追悼詩、撤去へ。
・中国政府の反日歴史戦は、韓国より一層戦略性を持っている。
・中国人慰安婦を迫害し死に追いやったのは中国共産党、と中国政府系学者。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttp://japan-indepth.jp/?p=40269でお読み下さい。】
産経新聞5月25日付記事によると、韓国系米国人団体「ニューヨーク韓人会」が、ワシントンの連邦議事堂施設内に慰安婦像を運び込んで「特別展示」を行う動きがあり、ニューヨーク州選出の複数の民主党下院議員が関与しているという。由々しき話である。
実は韓国内では、慰安婦像を巡って多少の混乱が起きている。韓国紙『中央日報』3月6日付の「セクハラ・スキャンダル渦中の高銀(コ・ウン)氏の慰安婦追悼詩、撤去へ」と題する記事を要約しておこう。
「韓国の著名な詩人・高銀氏(85)による慰安婦追慕の詩が刻まれた碑が、先月末に撤去された。ある女性詩人が高氏によるセクハラを暴露したのを受け、女性団体を中心に撤去の声が上がっていた。性的スキャンダルの渦中にいる詩人が、旧日本軍性奴隷被害者を追慕するのは不適切だという理由だった」。
▲写真 高銀氏 出典:photo by Mariusz Kubik
高氏の詩は「つぼみのまま/つぼみのまま/踏みにじられてしまった冒涜の命だった君よ」で始まっている。記事によれば、高氏はある大学での講演後、パーティの席で隣の女性の体を触り、ズボンから自らの性器を取り出しまでしたという。この程度なら「花のような乙女」を「つぼみのまま踏みにじる」行為には当たらないというわけだろうか。
元慰安婦の福祉施設「ナヌムの家」の所長が強く高氏を批判し「勇気を振り絞って告白した人々に心から謝罪すべきはもちろん、徹底的に反省しなければならない」と怒りの声を上げたというが、強制連行フィクションで日本を追求する前に、まず自国文化人のモラル確立に力を尽くすべきだろう。
▲写真 ナヌムの家「咲ききれなかった花」ブロンズ像 出典:photo by MKT
いずれにせよ、こうした形で反日運動が自壊し、慰安婦像や慰安婦碑が次々撤去されていくなら結構なことだ。もっとも、韓国内でいくらか混乱を見せようと、冒頭の記事にあるように、国際的場裡での慰安婦反日キャンペーンは今後とも手を変え品を変え続いていこう。そして、今や国際的キャンペーンの中心的担い手は、韓国以上に中国である。
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