ロヒンギャ族の知られざる顔
Japan In-depth / 2018年6月24日 21時22分
▲写真 Cox's Bazar近くに広がるKutapalong 難民キャンプのロヒンギャ民族の男性(2017年11月25日)flickr : DFID – UK Department for International Development
一方で同じラカイン州に住むヒンズー教徒たちの間からは「ARSAによる虐殺の真相も解明されておらず、この状態でロヒンギャには戻ってきてほしくない」と懸念の声が上がっているとされ、状況は複雑化しているのが現実だ。
そのコックスバザールの難民キャンプでは意見の対立するグループ同士による衝突で負傷者が出る事態も起きている。現地からの情報では「ARSAの支持派と反対派」の対立が背景にあるという。
アウンサンスーチー顧問は国際社会の批判も関わらず、ロヒンギャ問題で一歩も譲らない姿勢を続けている。その背景にはARSAという武装組織の存在とそのミャンマー治安組織や「異教徒」のヒンズー教徒さらにはロヒンギャ族の穏健派に対する残虐な攻撃、行動を許さないとの強い意志があるためとみられている。
多数派の仏教徒、さらに強い発言力を維持している国軍への配慮だけではなく、こうした現実を踏まえた上でロヒンギャ問題に対するアウンサンスーチー顧問の姿勢は論じられるべきだろう。
【訂正】2018年6月25日
本記事(初掲載日2018年6月24日)を下記のとおり訂正致しました。
誤:アラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)によるヒンズー教徒虐の情報も。
正:アラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)によるヒンズー教徒虐殺の情報も。
トップ画像/ロヒンギャ族の難民 35歳の母親と子供 2017年11月25 flickr : DFID – UK Department for International Development
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