「恐怖」こそカギ 金正恩氏が懇願した会談 米朝首脳会談総括 その2
Japan In-depth / 2018年6月28日 10時14分
だがトランプ政権はその戦術には引っかからなかったといえる。トランプ大統領は公式の行事である米朝首脳会談自体の中止を一気に宣告したからだった。北朝鮮側には明らかにトランプ大統領側にはもうここまできた以上、さらには史上初の米朝首脳会談の開催をここまで宣伝した以上、逆戻りは決してできないだろうという計算があったようだ。だからこそトランプ大統領のいまの側近中の側近のペンス副大統領とボルトン補佐官とを口汚くののしっても、会談の開催自体は変わらないと読んだのだろう。
この誹謗に激怒をみせたトランプ大統領の米朝首脳会談のボイコット宣言は強固そのもの、まったくの妥協の余地がない口調だった。5月24日のことである。北朝鮮の攪乱戦術はトランプ政権には通用しなかったのだ。かえって激しい反撃をくらう形となったのである。
北朝鮮はあわてふためいた反応をみせた。トランプ大統領の首脳会談キャンセル宣言のわずか半日後に、会談の開催を懇願したのだ。5月25日、北朝鮮当局はトランプ大統領に会談にのぞむことを文字どおり懇願したのである。「いつでも、アメリカ側の望むいかなる方式でも」とまでへりくだるという態度だった。しかも、あくまで非核化はしますよ、という姿勢だった。この懇願にトランプ大統領はそれなら応じるという様子で対応したのである。
写真)首脳会談に臨む金正恩北朝鮮委員長とトランプ米大統領
出典)ドナルドトランプFacebook(2018年6月12日)
北朝鮮が非核化に応じることを大前提としてトランプ大統領と金正恩委員長との会談を再度求めたのである。繰り返しとなるが、この基本的な事実の認識は会談自体の総括を試みるうえでも致命的に重要なのだ。
北朝鮮がこれまでの「核兵器保有」という国是とも呼べる基本政策の放棄や修正を約束してまで、しかも年来の高圧的、好戦的な態度を一転させてまで、なぜ熱心にトランプ大統領との一対一の会談を望んだのか。
その理由は簡単にいえば、金正恩氏が自分自身や自己の政治体制への危険を恐れ、その存続を望んだからである。金正恩氏の恐怖だったのだ。ではなぜそんな恐れが生まれたのか。その原因はトランプ政権の「最大圧力」と「軍事オプション」である。この点での金正恩氏の心理を科学的に証明する方法はないが、客観状況や消去法での分析はこの因果関係を明示する。
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