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「今さら人に聞けない基礎知識(中)」 超入門サッカー観戦法 その4

Japan In-depth / 2018年7月2日 23時28分

話を戻して、バルサで名声をほしいままにしているのに、代表では輝けないメッシに対してアルゼンチン国民の間からは「もうスペイン人になってしまえ!」

という声が前々から聞かれていた。

実際に彼はアルゼンチンとスペインの二重国籍なのだが、スペイン代表になることはできない。これはFIFAの規定で、一度でもどこかの国の代表メンバーとして国際試合に出場したならば、たとえ国籍を変更しても他国の代表にはなれないからだ。言うまでもなく、金満国家が選手をかき集めるのを防ぐ目的である。

日本代表にはかつて、ラモス瑠偉はじめブラジル出身の選手が幾人か名を連ねていたが、彼らは帰化したブラジル系日本人で、かつブラジル代表に選ばれたことはない。

▲写真 ラモス瑠偉元日本代表選手 出典:ラモス瑠偉オフィシャルウェブサイト

フランス代表など、アフリカ系やカリブ系の選手が多く、整列すると一見してどこの国の代表か分からないほどだが、彼らも全員、移民やその子孫だ。これも読者には多くを語るまでもないことであろうが、ヨーロッパでは今も、貧しい移民の子はスポーツ界や芸能界での成功を夢見るのである。

一方、韓国代表などは今も「純血主義」にこだわっている。実は前述のブラジル出身の日本代表選手について、韓国代表として初めてJリーグ(サンフレッチェ広島)でプレーしたノ・ジュンユン選手が、

「日本が大好きということと、日本人になるというのは違う気がする」

と述べたことがある。在日4世のイ・チュソン選手でさえ、日本での活躍が注目されて韓国U19のキャンプに招待されたが、あろうことか「ハンチョッパリ(半日本人)」という悪口まで言われたため、最終的には名前をり・ただなり(李忠成)に変えて日本代表になる道を選んだという。

▲写真 李忠成選手 出典:李忠成オフィシャルインスタグラム

お互い、他国の代表のことにあれこれ口を出すのはどうかと思うが、韓国サッカー界のこうした姿勢は、イエローカード続出のラフプレー(荒っぽい試合運び)を恥とも思わないことと併せて、いくらなんでも時代錯誤ではないかと、私は考える。

ところで(と言うより、こちらが本題なのだが笑)、そもそもFIFAとはなにか。

Federation Internationale Football Association

の頭文字で、つまりフランス語である。

1904年、サッカー(アソシエーション・フットボール)の国際組織として、フランスを中心にヨーロッパ7カ国で旗揚げされ、パリの薄汚い雑居ビルの一室に本部を置き、わずか28名のスタッフで運営を開始した組織が、ワールドカップの商業的成功によって、今ではスイスのチューリッヒに高級リゾートホテルと見まがうばかりの本部ビルを構え、2018年段階で211の国と地域が加盟する、世界最大の競技団体になったのである。

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