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「選挙制度改革自民党案を認めない」行田邦子参議院議員

Japan In-depth / 2018年7月4日 12時52分

「選挙制度改革自民党案を認めない」行田邦子参議院議員

「細川珠生のモーニングトーク」2018年6月30放送

細川珠生(政治ジャーナリスト)

Japan In-depth 編集部(石田桃子)

【まとめ】

・自民党案は合区制度により立候補できなくなった現職議員の救済策。

・一票の格差問題は現行憲法下では合区制度を進めることによってしか改善できない。

・参議院選挙制度の議論より先に参議院の在り方見直すべき。

 

 

6月20日、国会の会期が7月22日まで延長されることが決定した。政府・与党は、IR法案・働き方改革法案・参議院の選挙制度改革法案の成立を目指している。今回は、参議院の選挙制度をテーマに、希望の党幹事長・行田邦子参議院議員に、政治ジャーナリストの細川珠生氏が話を聞いた。

 

細川氏は、参議院議員選挙における一票の格差を是正するために従来行われてきた検討に言及しながら、今国会で議論される与党案について、行田氏に考えを聞いた。

 

前回2016年の参議院議員選挙では、2015年の公職選挙法改正が適用された。その内容は、鳥取と島根、徳島と高知の合区を伴う「10増10減」。ところが自民党は、合区制度の解消を可能にする改正案を今国会に提出している。同時に、比例代表の改選定数の4議席増、拘束名簿式の一部導入、一票の価値が最も小さい埼玉選挙区の改選定数の2議席増を提案している。

 

行田氏は、参議院の「参議院制度改革協議会」の中の「選挙制度に関する専門委員会」において、昨年から十数回にわたって各会派・政党の代表による議論が行われていたにも関わらず、自民党案について一切言及がなかったことを明らかにしつつ、自民党案を以下3点において批判した。

 

1.「自民党案は、合区制度によって立候補できなくなった現職議員の救済策に過ぎない。」

2.「自民党案は、従来の定数減の流れに逆行している。」

3.「延長国会での拙速な議論は、2015年に成立した改正公職選挙法の条文に反している。」

 

1.「自民党案は、合区制度によって立候補できなくなった現職議員の救済策に過ぎない」

 

従来、参議院議員選挙の非拘束名簿式比例代表制では、各党の当選者は、個人名得票数の多い順に決められた。しかし、今回の自民党案が成立すれば、一部名簿式が導入され、名簿の上位に特定枠が設けられることになる。大きな政党であれば、特定枠の候補者は当選がほぼ確定する。行田氏はこれを、「合区制度によって選挙区選挙に立候補できない現職議員を比例代表制で優先的に当選させる狙いがある」と述べた。

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