W杯、明文化されぬルール
Japan In-depth / 2018年7月8日 0時7分
為末大(スポーツコメンテーター・(株)R.project取締役)
【まとめ】
・ポーランド戦ラスト10分間、日本チームの戦い方賛否分かれる。
・明文化されていない文化ではイノベーションが生まれにくい。
・スポーツのリーダーがまずやるべきことは勝利条件の設定。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=40891でお読み下さい。】
W杯で日本が決勝リーグ進出を決めました。最後のポーランド戦のラスト10分間で、日本チームの戦い方に賛否が集まりました。とても興味深い事例なので、これを考察してみたいと思います。
私が興味深いと思ったことは以下の三点です。
1、W杯はエンターテイメントか勝負か
2、ルールにないことはどの程度までやってもいいのか
3、勝利条件はどこに設定すべきか
まず第一の観点は、W杯は勝負かエンターテイメントかということです。もちろん一番わかりやすい整理は見ている側はエンターテイメントであり、やっている側は勝負であるということです。ですが、時に勝負に徹すると観客から見て面白くない戦術が有効である場合があります。二つの目的が対立するわけです。
▲写真 シリアvsイラン戦, 2018年FIFAワールドカップ予選試合 出典:Tasnim News
モハメドアリと、アントニオ猪木の試合では、アントニオ猪木さんが寝転がって相手のパンチを事実上封殺するという手段を選びました。これも、戦いにおいて正しい戦術だったのだと思いますが、派手に殴り合う姿を想定していた多くのファンにとっては予想外でした。このようにスポーツにおいて、最も戦いに有効な手段が地味であるという場合は多々あります。もし勝負に徹し過ぎればスポーツ自体のエンターテイメント性が失われファンが減りビジネスとして成り立ちにくくなる。一方でエンターテイメント化しすぎれば、真剣勝負の緊張感がなくなる。この辺りのどこに立ち位置を取るかでスポーツは随分風景が変わります。
▲写真 モハメドアリvsアントニオ猪木 混合ルール戦のポスター 出典:NJPW
第二にルールにないものはどの程度までやっていいのかということです。英語ではunwritten ruleという言葉がありますが、明文化されていないが、暗黙の了解で皆やらないというものを指します。日本は比較的この領域が大きいと私は考えています。
この記事に関連するニュース
-
倍賞美津子とアントニオ猪木夫妻は本当に襲われたのか? タイガー・ジェット・シンの「伊勢丹前襲撃事件」の真実
文春オンライン / 2024年11月26日 11時0分
-
日本vs中国 試合前日の森保一監督、MF遠藤航会見要旨
ゲキサカ / 2024年11月18日 22時25分
-
降格危機の札幌、例外的だが正しかった戦い方 気迫溢れる1対1に見た“わずかな光明”【コラム】
FOOTBALL ZONE / 2024年11月13日 8時30分
-
日本代表レベル向上も…「一番すごいのは誰?」 大津祐樹が考えるサッカー界の悩み【見解】
FOOTBALL ZONE / 2024年11月7日 9時30分
-
アントニオ猪木 ストロング小林戦の2日後に弾丸渡米し王座防衛!
東スポWEB / 2024年11月3日 10時6分
ランキング
-
1これぞ辰己涼介! ゴールデン・グラブ賞表彰式に“全身金ピカ”で登場 場内爆笑
スポニチアネックス / 2024年11月28日 14時47分
-
2突然の引退発表「え、嘘だろ」 J通算91ゴール…名助っ人の決断に騒然「衝撃すぎる」
FOOTBALL ZONE / 2024年11月28日 14時33分
-
3「ずっと出たいけれど」対応次第 代表参加、協会に問題提起の八村
共同通信 / 2024年11月28日 18時54分
-
4騎手のスマホ使用問題は「競馬の根幹を揺るがす問題」とJRAが説明 処分の重さに影響
スポーツ報知 / 2024年11月28日 18時21分
-
5張本智和&美和“卓球界の歴史を塗り替えた兄妹”単独インタビュー 50年ぶりの快挙の裏側
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月28日 17時0分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください