国民民主党の離れ技光る!IR法案
Japan In-depth / 2018年7月20日 22時44分
田中紀子(ギャンブル依存症問題を考える会代表)
【まとめ】
・IR法案が20日夜成立予定。
・国民民主矢田わか子議員が附帯決議提出。
・受益者負担で依存症対策を実現させることを謳ったことを高く評価。
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IR実施法案は、参議院内閣委員会で採決され、おそらく今晩にも成立する見通し。IR実施法案は問題の多い法律で、推進派にとっても私たち依存症者にとっても中途半端なものとなっているが、国会の審議では「法案を通してくれれば、カジノ管理委員会がしっかりやります。」という答弁に終始し、与党は何があってもこの法案を通す!という強硬な姿勢を貫いた。
その中で、推進派の維新を除く野党の闘い方は不信任案一辺倒しかなく、それは数時間の時間稼ぎであった。また一度提出された法案に修正が加えられることは稀である。
2016年の臨時国会でIR推進法が決議された時には、圧倒的な世論の反発から法案自体に修正が加えられたが、今回はマスコミの報道、特に地上波のTVに取りあげてもらえることが殆どなく、我々の形勢は不利なままであった。このまま強行採決もやむを得ないのかと思っていたところ、IR法案について反対票を投じていた国民民主党が、附帯決議を提出するという離れ技を放ち、私たち一同驚き、そして一筋の希望を繋いで貰うことができた。
そもそもIR実施法案は私たちにとって、闘いにくい条件が揃っていた。私たちはカジノの是非ではなく、カジノ依存症対策を推進したいのだが、反対派の野党はカジノを潰すことしかできないので改善策を提示はしてくれない。つまりゼロか百か、白か黒かしかなく、我々の様に「黒を少しでもグレーに」という質問ができなかったのである。
だから私たちの中にも「せめて附帯で」という気持ちは常にあったが、それを言いだせる状況にもなかったし、言っても無駄という気持ちがあった。
ところがここに来て私たちにとって彗星が現れた。不覚にも私も全く存じ上げなかったのだが、それが国民民主党の矢田わか子議員である。IR実施法の議論が参議院に移ってから、矢田議員の質問は光っており、私たちも「おっ!?」っと思ったのだが、なんと矢田議員のお父様は、実はギャンブル依存症だったそうなのである。どおりで、質問に深みがあり、的を得ていると思ったが、何よりも議員がよく勉強されていること印象的であった。
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