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人工言語「シングリッシュ」が便利すぎる件

Japan In-depth / 2018年8月4日 19時37分

「美しい日本語」というのは確かに存在するとは思うものの、日本人の我々でさえ、「本当に正しい日本語」という解釈は曖昧になりつつある。そんな時代に、どうして英語の文法だけ、それほどにまで意識する必要があるだろうか?


英語にだって、きっと時代の流れや時の変化が反映されているはず。そう思っていた時に、私は「シングリッシュ」という言語に出会った。


 


■ へんてこ英語「シングリッシュ」の合理性に脱帽


 


▲写真 シンガポール 出典:photo AC


さて、ようやく本題の「シングリッシュ」の話に移ろう。私が今住んでいるシンガポールは、アジアの先進国としても注目をされている国だが、この国では「正しい英語」なんて概念は存在しないように見える。それどころか、人工的な言語「シングリッシュ」(=シンガポールのイングリッシュ)という言葉が生まれているのだ。


まずは1つ、シングリッシュの例を挙げよう。


店で洋服を試着したい時に、Can I try this on?と店員に聞いたとする。試着をさせてもらえる場合、文法的に正しい回答は以下になる。



Can I try this on?


→Yes, you can.



または、少しアレンジしたとしても、



→Of course.


→Sure.


→Why not?



この辺りまでだろう。


しかし、シンガポールでは想像を超えた回答が返ってくる。


どのような回答かというと…



Can I try this on?


→Can.



もしくは、



→Can, can.



こんな返答は、今までの英語教育の中では聞いたことがない。


もう1つ、例を挙げよう。


タクシーの運転手に“Do you need a receipt?”と、レシートが必要か聞かれたとする。必要ない時、文法的に正しい回答は以下になる。



Do you need a receipt?


→No, I don’t.



または、簡単に



→No, thank you.



というのが一般的だろう。


しかし、シングリッシュでは、全く違う表現が使われる。



Do you need a receipt?


→No need.



もしくは、



→No need, no need.



初めてこれらを聞いた時には思わず笑いそうになったが、両者の回答には共通して言えることがある。それは、文法は無視しているものの、一瞬で意味を理解できるということだ。必要な単語のみで構成されており、「できる」「必要ない」という伝えたい内容が、個々の英語能力に依存することなく瞬時に明確に伝わる。ある意味、とても合理的なのだ。


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