バヌアツでプラスチックストローにNO!
Japan In-depth / 2018年8月8日 11時40分
相川梨絵(フリーアナウンサー・バヌアツ共和国親善大使)
「相川梨絵のバヌアツ・ニュース」
【まとめ】
・国として世界初、バヌアツでプラスチックストロー全面禁止。
・改めて見直されるバヌアツ人の昔から生活。
・美しい国を守りたいという気持ちが芽生え、自ら行動している。
飲酒運転OK、スーパーで賞味期限切れの商品があるのは日常茶飯事などなど、あまり規則がないバヌアツ共和国ですが、7月から新たに大きな試みが開始されました。「レジ袋、プラスチックの容器、プラスチックストローの全面禁止」です。特に、プラスチックのストローの禁止は、国として世界で初めてだそうです。
イギリス、フランスの共同統治から独立し、今年で38年目のバヌアツ共和国。手付かずの自然、今も残る伝統的な人びとの生活が魅力で、年々観光客が増え、首都においては、近年、急速に近代化が進んでいます。
その中で、常に取り沙汰されていたのが、ゴミ問題でした。私がバヌアツで住みはじめたのが6年前の2012年。美しいビーチの下を見ると割れたビール瓶のかけらや缶ジュースのゴミ。町では、あちこちにお菓子の空袋が散乱している状態でした。
これは、明らかに、植民地としてバヌアツ人の生活環境を代えた、西洋人たちの責任でした。首都以外に住むほとんどのバヌアツ人は、今でも、昔ながらの自給自足の生活をしています。自分達で作った野菜や果物を食べています。そこから出るゴミは、土にかえれば肥料として、再び自分たちに恵をもたらします。自然と共存していた彼らの元に、西洋人がプラスチック製品を持ち込みました。
バヌアツ人は、今まで同様、ゴミを捨てます。バナナの皮を捨てる感覚でお菓子の袋を道端にポイ捨てし、ココナッツの殻を捨てる感覚で空き缶をビーチに放置しているのです。植民地時代に統治国が、ゴミ処理施設やその仕組み作りを怠った結果なのです。
日本もこのゴミ問題には早くから注目し、低コストで多くのゴミを収容できる埋め立て式のゴミ処理場を援助で作っています。環境にも考慮し、とても素晴らしいものです。しかし、年々ゴミの量が増え、当初の予定より早くこのゴミ処理場がいっぱいになりそうだという懸念が出てきました。ゴミ自体を減らさないと大変なことになるぞという空気が流れはじめました。
この頃(3〜4年前)から、環境保全を訴える外国人の NPO団体などが多くではじめました。綺麗な海を守ろうという団体が街を掃除するイベントを開催したり、アートギャラリーでは、「sik plastik blong solwota展」(プラスチックが海をダメにする展覧会)を開催して、プラスチックゴミに関する作品を一般公募することで国民の意識を高めさせたりしていました。ある団体は、「NO PLASTIK BAG」と書いてあるTシャツとエコバックを作り、レジ袋をもらわずにエコバックを持ち歩こうという啓蒙活動をはじめました。
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