茶道が果たす大きな役割 裏千家第15代前家元 千玄室大宗匠(上)
Japan In-depth / 2018年8月22日 11時48分
「細川珠生のモーニングトーク」2018年8月11日放送
細川珠生(政治ジャーナリスト)
Japan In-depth編集部(小俣帆南)
【まとめ】
・放送1200回を記念し茶道裏千家第15代前家元・千玄室大宗匠に茶道や戦争体験について話を聞いた。
・細川家は第二代・忠興が、千利休七哲の一人として、共に豊臣秀吉を支えた。
・千玄室氏の特攻隊でのエピソードを聞き、これからの日本に対し何をなすべきかを考える機会としたい。
今回は放送1200回を記念して、茶道裏千家 第15代前家元・千玄室(大宗匠)氏をゲストに迎え、茶道や特攻隊員としての戦争体験について、現代の私たちが考えることの意味を政治ジャーナリストの細川珠生氏が聞いた。
本番組は1995年、細川隆一郎氏が娘・細川珠生氏と共に始め、14年間にわたって父娘の対談番組として放送された。2009年に隆一郎氏が他界すると、珠生氏(以下、細川氏)が毎週ゲストを迎える形で番組を続け、現在に至る。
今年4月に95歳の誕生日を迎えた千玄室氏は、細川隆一郎氏と同じ時代を生き、戦争に行った経験も共通している。
初めに細川氏は、細川家と千家との歴史的な繋がりに触れ、「お茶は当時の大名たちが想いを深くする大事な機会であり、一国一城の主であった彼らはお茶を通じて様々な精神を学んだのではないか」と述べ、茶道の存在が大名たちの精神性や関係に大きな影響を及ぼしたのではないかとの考えを示した。
それに対し、千氏はその考えに賛同し「武士道と茶道は一緒」と述べた。千利休が織田信長に仕えた当時、信長は「武」だけではなく「文」をも重んじる文武両道の姿勢を武士の最高の教養としたという。茶の湯を政治的に利用した信長の政策を「茶の湯御政道」と呼ぶように、信長は利休を上手く使うことで堺一体を治めるようになった。千氏は「茶の湯の政治化は信長によって築かれ、豊臣秀吉もそれを受け継いだ。その秀吉の右には利休が、左には秀吉の弟・秀長がおり、細川家もまた彼らと共に秀吉を支えた。」と述べ、細川家と茶道との絆の深さを紹介した。
続けて細川氏は、千氏が第二次世界大戦において海軍の特攻隊員として従軍したことに触れた。細川氏の父・隆一郎氏も、大戦では硫黄島の生き残りとして生還した。細川氏は父から戦争の話をほとんど聞かなかったものの、「『生きて帰ってきてしまった』という父からの一言が心に深く残っている。」と述べ、同じ境遇であった千氏の当時の想いを聞いた。
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