「一帯一路」は中国版植民地主義
Japan In-depth / 2018年9月3日 14時36分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視 」
【まとめ】
・米WP紙「中国版植民地主義」と題し「一帯一路」に反対鮮明に。
・政府、議会、政党、官民問わず米は国交後40年で最も厳しい対中姿勢。
・「中国の覇権拡大対象国は対抗措置を」の主張に日本も注視を。
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中国の「一帯一路」構想は現代の植民地主義だから、抑えねばならない――こんな強硬な主張がアメリカの大手紙ワシントン・ポストの社説 (※8月30日付WEB版)で打ち出された。この巨大なインフラ建設の構想は中国の覇権の拡大だから対象となる諸国は対抗措置をもとるべきだと、という主張だった。
いまのアメリカでは中国に対する警戒や敵対がまた一段と高まってきた。米中国交樹立以来の40年ほどでも最も厳しい対中姿勢だといえる。しかも政府と議会を問わず、共和党と民主党を問わず、官民いずれも、という広範な対中態度の硬化なのだ。その理由は中国の国際規範無視の膨張ぶりだといえる。オバマ前政権の寛容な姿勢への反発がいまの超党派の強固さを招いたともいえる。
そんな空気のなかで大手紙の反トランプ傾向のワシントン・ポスト紙が8月31日付の社説で「中国版の植民地主義」と題して、中国が進める「一帯一路」構想への反対と警戒を訴えた。副題は「北京政府の『一帯一路』構想を抑えるためにもっと多くの行動をとらねばならない」という明確な反対論だった。
同社説は「多くの国家が習近平主席の巨大なインフラ建設と影響力拡大の企みを再考するようになったが、そうあるべきである」と、まず述べていた。そのうえで同社説はマレーシアのマハティール首相が最近、中国の「一帯一路」の二大プロジェクトをキャンセルし、前政権の不正資金の調達にもこの構想が利用されていたと指摘したことを強調していた。
写真)マレーシアのマハティール首相
出典)マハティール氏Facebook
そのうえで同社説はマハティール首相が「一帯一路」を「中国版の植民地主義」とか「20世紀初頭に欧米列強が中国に押し付けた不平等条約の逆転」と特徴づけたことを述べて、その認識への同調を示していた。
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