新聞よ、おごるなかれ!
Japan In-depth / 2018年9月5日 17時43分
「選挙戦ではニューヨーク・タイムズはじめ多くの新聞がヒラリー・クリントン候補の支援を表明し、トランプ候補を悪魔のように扱った。このような露骨な政治党派性はアメリカのジャーナリズムの歴史でも恥ずべき一章である。その後の民主党支持のメディアのトランプ報道は体制転覆を図る革命運動の一端のようになってしまった」
なるほど、最近の「トランプ対メディア」の衝突についての報道の多くは、アメリカでも日本でも、公正中立で客観報道のメディア側にトランプ大統領側が不当な攻撃をかけてきた、という構図を描いている。ところがグッドウィン記者はそもそも新聞の側がトランプ氏とは反対の政治的立場から攻撃をかけていたのだ、と説明するのである。
同記者のコラムはさらに以下の骨子を述べていた。
「約350もの新聞が一体となってトランプ非難の社説を載せたことも、『原則』を掲げるふりをしながら実は党派性の偏向報道と自己利益に駆られた動きだといえる。いまの反トランプの新聞の絶え間のない敵対的報道は政治的分裂をあおることで国民とジャーナリズムの両方に被害をもたらす。国民はトランプ政権の経済政策のような明らかに成功した行動について知る権利を知らず知らずのうちに奪われているのだ」
「だが多くのメディアがトランプ大統領の政策を客観的に分析して報道することなく、大統領への憎悪や敵意をあおるだけの高圧的な偏向報道を続けている。最近の世論調査では一般国民の多くがそのメディアの偏向に気づき、メディア全体への信頼を急速に減らしている。メディアにとっていまのようなトランプ報道はみずからを傷つけるブーメランのような逆効果があるといえる」
こう述べたグッドウィン記者はアメリカ国民がメディアへの信頼を失っている例証として次のような最近の世論調査結果を紹介していた。
・ギャラップ・ナイト財団の世論調査ではアメリカ一般国民の62%が「いまのニュースは偏向している」と答え、44%が「不正確だ」と答えた。
・アキシオス社の世論調査では回答者の70%が「最近のメディアは情報を故意にゆがめてフェイクや虚偽を伝えている」と答えた。また共和党支持者の92%、民主党支持者の53%が「ニュースメディアを信用しない」と答えた。
だからグッドウィン記者は新聞をはじめとするメディアが肝心の顧客である一般国民の信頼を失い、自らの墓穴を掘っているのだと指摘して、コラムの結びとして新聞などのメディアは「報道と主張を明確に区分する伝統的なジャーナリズムの基本へ回帰すべきだ」と強調していた。日本のメディアにとっても他人事ではないだろう。
TOP画像:NEW YORK POST紙
出典)Flickr Marco Verch
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