米でセリーナが女性差別の被害者との論調
Japan In-depth / 2018年9月11日 16時29分
写真)パトリック・ムラトグルー氏
出典)Vaslon
さらにウィリアムズがラモスを「嘘つき」「点数泥棒」呼ばわりしたことから、1ゲームの重いペナルティが科せられ、勝敗が決まるという、非常に後味の悪い展開であった。こうしたことから試合後の表彰式で、ウィリアムズを支持する観客が大会運営側に満場のブーイングを続け、優勝して喜びをかみしめるはずの大坂が苦しみのあまり泣き出すという、異様な事態となったのだ。
米ニュースサイト『クォーツ』のコラムニストであるヘザー・ランディ氏は、「この試合を一緒に観ていた夫は、ウィリアムズがスポーツマンシップに欠けていたと主張し、私は夫が同情心に欠けると非難して、夫婦げんかになった」と綴った。
このなかでランディ氏は、「同じような暴言を吐く男性選手が罰を受けず、女性選手のみが罰せられることに抗議するウィリアムズは、『しとやかな女性らしさ』を要求される二重基準の理不尽さと闘っていたのであり、そんな彼女が全米に中継される場で差別を指摘する場面を観ることは、目から鱗の体験であった」と回想した。
その上で、「ウィリアムズはたとえ敗北しても、女性に勝利をもたらした」と結んだ。
また、黒人女性向けの総合雑誌『エッセンス』のバネッサ・デルカ元編集長は米『ワシントン・ポスト』紙に寄稿し、「ウィリアムズは自己の清廉潔白を主張するなかで、男性の権威に挑戦し、そのために罰せられた」との見解を示した。
デルカ氏は、「ウィリアムズは、彼女の男性コーチの過ちを身代わりとなって受けさせられた。だが、彼女は男性主審の誤った決めつけを受容したくなかった」と述べ、「一部メディアがウィリアムズの言動を『怒り狂った喚き』『感情の爆発』『ショッキングな攻撃』『メルトダウン』と形容したことは、黒人女性が(理由もなく)怒れる存在であり、女性は感情を制御できないとする無意識なステレオタイプを強めるだけだ」と指摘し、抑圧者としての男性と闘う英雄の女性としてのウィリアムズを描いた。
さらに、黒人ニュースサイト『ザ・ルート』のアン・ブラニガン氏は、「多くの人々が今回の出来事で、『不正義がある』と声を上げたことに慰められる。ウィリアムズが口にすることを禁じられた憤りを、われわれが共有する慰めだ」と、黒人女性の気持ちが公の場面で表現されたことに、満足の意を示した。
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