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鳩山元首相言及 “佐喜真氏も翁長後継と名乗っている”は本当?

Japan In-depth / 2018年9月28日 23時0分

9月5日のNHKの政治マガジンによると、佐喜真氏は「翁長知事に恥じない政治を作っていくことが、残された私たちの責任だ」と周囲に語ったそうだ。このような発言から、佐喜真氏は翁長氏が基地負担について全国に発信したこと自体は一定の評価をしていると言える。


しかし、先述の「決意」というページでは、「その一方で、国との関係などにおいて争いが絶えなかったことも事実ではないでしょうか。これは、沖縄の県民性からすれば、望むものではないはずです。本来の沖縄らしい「和」を取り戻さなくてはなりません。」と述べている。9月5日の討論会では、”安倍政権”と”翁長県政(経済政策)”、それぞれの評価と点数を問われた際、佐喜真氏はそれぞれ「60点~70点、40点~50点」と答え、玉城氏は「0点、80点」と答えた。9月11日の討論会でも、佐喜真氏は、玉城氏が強調した翁長県政の経済実績について、前代の仲井真県政が種をまいたものだと強調していた(候補者討論会・翁長県政の実績巡る発言は正確だった?参照)。このことをみても、佐喜真氏は翁長県政をあまり評価していないと言える。


念のため、沖縄現地で佐喜真氏を取材し続けている複数の新聞記者に確認したところ、「佐喜真氏が後継と名乗ることは聞いたことがなく、あり得ない」と口を揃えていた。


ちなみに、鳩山氏がツイッター投稿をする3日前の9月19日のしんぶん赤旗の記事は、沖縄県統一連の瀬長和男事務局長が口コミで”翁長知事の後継者は佐喜眞だ”と広げられていると警戒を強めていると書かれている。これも佐喜真氏本人の言葉ではなく、後継者と名乗っている根拠にはならない。


 


判定:ミスリード


佐喜真氏は8月24日の事務所開きで「翁長知事が常に政府や国民に訴えてきた米軍基地の過重な負担、その遺志をしっかりと継いで、沖縄県の基地負担軽減を全力で取り組んでいきたい」と発言していたが、この後は普天間返還のみを訴え、辺野古移設阻止を含む翁長氏の政策の継承については一言も触れていない。その他をみても、佐喜真氏が自ら積極的に翁長氏の後継と印象づけるような発言をしていた事実はない。


 よって、8月24日の発言をとらえて「佐喜真氏も翁長氏の後継を名乗っている」というのは、不正確で誤解を与える表現であるから「ミスリード」と判定する。


 


<追記>


 このファクトチェック記事を出した後、鳩山元首相は10月16日、ツイッターで佐喜真氏が「翁長氏の遺志を継ぐ」と発言していたと反論し、その根拠として琉球新報の9月9日付記事を紹介した。


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