候補者討論会ファクトチェックその3 “辺野古にオスプレイ100機配備”は事実か?
Japan In-depth / 2018年9月30日 0時30分
判定:一部誤り
辺野古の代替施設に普天間飛行場にない弾薬搭載エリアや大型船が接岸可能な護岸が設けられ、オスプレイが配備される予定も事実である。だが、現時点で「強襲揚陸艦が接岸できる護岸」が設けられるとは言い切れず、「オスプレイ100機配備されることが明らか」は事実とは言えない。
▲写真 普天間飛行場に並ぶオスプレイMV-22(FIJ・立岩陽一郎理事撮影、2018年9月21日)
【検証対象⑦】
言説の内容
(玉城氏)今回の埋立承認撤回は、沖縄県が公有水面法に基づき、適正に判断して行われたものです。例えば、一例を挙げれば、沖縄防衛局のボーリング調査で、大浦湾に埋め立て承認の時には想定されていなかった、厚さ40mにも及ぶ軟弱、超軟弱な地盤、N値ゼロの、いわゆるマヨネーズ状と呼ばれているN値ゼロの地盤があることがわかりました。
事実・証拠
沖縄県は8月31日、仲井真知事(当時)が2013年12月にした辺野古の工事承認を取り消す決定をした。その際の「公有水面埋立承認取消通知書」には、承認後に沖縄防衛局が行った地質調査で、当初想定されていなかった非常に柔らかい堆積物が見つかり、「N値0」を示す箇所も複数見つかったことが指摘されている。これが「マヨネーズ状の地盤」と呼ばれているもので(沖縄タイムス4月30日参照)、「災害防止に十分配慮」という要件を満たさないことが取消し理由の一つとなっている(沖縄県HP)。
軟弱地盤の存在が判明した「N値0」という結果が出たこと自体は、政府も認めている(3月30日衆議院内閣委員会で、玉城氏の質問に対し、辰己昌良防衛省審議官が答弁)。だが、防衛省側は「室内試験を含めましたボーリング調査全体の結果を総合的に判断して、地盤の強度等を評価した上で工事を進めていきたい」と述べ、工事の阻害要因になる可能性は認めていない。
判定:正確
辺野古の埋立て承認時に想定されていなかった軟弱地盤が見つかったことは政府も認めており、玉城氏の発言は正確と言える。
【検証言説⑧】
言説内容
(玉城)実は今日のニュースなんですが、アメリカの国防総省がこのほど公表した2017年会計年度基地構造報告書によると、アメリカの国外にある米軍基地施設数は計517、前年度に比べて70削減されていることが分かったそうです。
事実・証拠
玉城氏が指摘したのは、9月7日付沖縄タイムスの記事とみられる。次のように報じていた。
「米国防総省がこのほど公表した2017米会計年度基地構造報告書(16年9月末時点)によると、米国外にある米軍基地・施設数は計517で、前年度に比べて70削減されていることが分かった。」(沖縄タイムス2018年9月7日)
国防総省ホームページには「基地構造報告書」(Base structure report)が公開されており、2015年の587から2017年の517に70減っていることが確認された(報告書2015年版、2017年版)。ただ、2016年版報告書が公開されておらず、厳密には「前年度に比べて」ではなく「2年前に比べて70削減された」が正確である。
判定:ほぼ正確
米軍の国外の基地・施設は2年前に比べて70削減されており、玉城氏の発言はほぼ正確と言える。
トップ画像:©FIJ
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