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ベトナムで激化する言論弾圧

Japan In-depth / 2018年10月1日 10時30分

 


8月16日には北中部ゲアン省の裁判所が人権活動家であり作家でもあるレ・ディン・ルオン被告(53)に対し、国家転覆容疑で禁固20年の実刑判決を言い渡した。



写真)レ・ディン・ルオン被告


出典)Front Line Defenders ウェブサイト


 


ルオン被告の逮捕容疑は米カリフォルニア州に本拠を置くベトナム反体制派組織「ベトタン(越新)」との関係だった。ベトタンは1982年に創設された組織でタイのバンコクに連絡事務所がある。2016年にベトナム総選挙を妨害したとしてベトナム政府が「テロ組織」に指定。以来ベトタンとの関係が疑われただけで「反社会的、反国家的」人物のレッテルが張られ、国家転覆容疑で逮捕されることになった。


 


弁護士によるとルオン被告の禁固20年という今回の判決は、同容疑の判決としては「恐らく最長の刑ではないか」という。



写真)レ・ディン・ルオンさんの即時無条件釈放を求める、妻Nguyen Thi Quy さん(2018年7月30日)


出典)Viet Tan ウェブサイト


 


9月14日には北部紅河デルタ地帯のタイビン省の地方裁判所が4月18日に国家転覆罪に問われていたグエン・ヴァン・トゥック被告(54)に下した禁固13年の実刑判決の控訴審判決言い渡しが高等裁判所で開かれ、地裁判決維持が言い渡された。


 


トゥック被告はインターネット上のオンライン民主主義組織の主要メンバーで民主化を訴える数々の書き込みが「国家転覆容疑」に問われたのだった。トゥック被告は2008年には民主化を訴えるパンフレットを配布したことが反国家プロパガンダ容疑に問われ禁固4年の実刑判決を受けて服役、2012年に刑期を終えて出所し、再び活動を開始していた。


 


さらに9月17日は北部バクニン省の裁判所がジャーナリストで土地問題に関する人権活動家でもあるドン・コン・ドゥオン被告(54)に対し、社会秩序混乱の罪で禁固4年の実刑判決を言い渡した。ドゥオン被告は1月24日に土地問題で強制的に立ち退きを迫られた住民の様子を記録するために動画を撮影中に警察によって拘束、逮捕されていた。


 


このとき同時に4人が逮捕されたが、ドゥオン被告の除く3人は起訴事実を認め、否認を続けたドゥオン被告だけが重い禁固刑となった。同被告は控訴の意向を示している。


 


■政治犯130人、厳しい一党独裁


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