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海自潜水艦は海南島中国戦略原潜を狙う

Japan In-depth / 2018年10月2日 9時30分

■ 軽空母、巡航ミサイル


なお、将来的には日本巡航ミサイルや軽空母も海南島に指向される。(*1) いずれも検討中の兵器である。もちろん日本は「離島防衛に用いる」と述べている。ただし本質的にはそれに向く武器ではない。まずは口実だ。


巡航ミサイルは防空を強要する。平時に搭載潜水艦や搭載哨戒機を南シナ海で行動させるだけでよい。それだけで中国は危機感を抱き防衛体制を強化する。


戦時に一度でも三亜を攻撃すればそれ以上の過剰反応をもたらす。ミサイルは撃墜されてもよい。「日本が戦略原潜を狙っている」だけで中国は海空防衛戦力を割かざるを得なくなるのだ。


あるいは瓊州海峡の鉄道連絡船も目標となり得る。現状では四隻の連絡船でしかつながっていない。(*2) 民間人被害を出さないように注意する必要はあるが使用不能にできれば効果は大きい。(*3) 国内世論への影響から解放軍は防空強化を強要される。


「いずも」型軽空母にF-35Bを搭載すればフィリピン東周りでの攻撃も可能となる。これも可能性を誇示するだけでよい。平時にセレベス海、スールー海に軽空母を送る。そこからバラバック海峡経由で艦載機を南沙、海南島に向ける。そうすれば中国海空軍に南シナ海の防衛強化やフィリピン東方における海上哨戒も強制できる。



△フィリピン東廻り攻撃 作図:文谷数重


 


*1 なお、日本による海南島アプローチと第三世界への攻撃も含めた日本巡航ミサイルの活用については今月号の軍事研究で述べている。


文谷数重「日本の『巡航ミサイル』の攻撃目標」『軍事研究』2018年10月号(JMR)pp.56-67.


*2 鄭ほか「関於瓊州海峡戦略通道建設的思考」『軍事交通学院学報』18.4(軍事交通学院,2016.4) pp.1-3,17.


連絡船は貨車40-44両を搭載する粤鉄1-4号の4隻のみとされている。


*3 ただし連絡船そのものは攻撃し難い。戦時国際法において旅客船(正確には”passenger vessels when engaged only in carrying civilian passengers”)は敵国船でも攻撃対象から除外される。その旨は明認されている。「民間人が乗っていない状態」と主張できる状況が必要となる。あるいは鉄道接続部、連絡船桟橋や支持するドルフィン部を破壊するかである。なお鉄道は攻撃除外目標ではない。


トップ画像:海自潜水艦「くろしお」。水中3500トンつまり容積は3500立米と在来潜水艦としては屈指の大型艦であり長距離行動を想定している。最新の「そうりゅう」型はさらに拡大した4200トンに達しており、おそらくはマラッカ以西への展開も考えている。米海軍写真。 撮影:Cynthia Clark U.S.Navy


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