ナチスの戦争犯罪と死刑廃止論 昭和の戦争・平成の戦争 その7
Japan In-depth / 2018年10月3日 10時57分
さらに、1945年10月24日、国際連合憲章が発効したことにより、国連加盟国間においては「合法的な戦争」というものがあり得ないことになった。したがって最近では、戦時国際法よりも「国際人道法」という呼び方が広まりつつあるのだが、いずれにしても俗称なので、ここでは置く。
ともあれ大戦後には、「国家には、人の命を奪う権限など与えておくべきではない」と考える人が増え、死刑廃止の動きが一気に加速したのである。もちろん国情はそれぞれなので、たとえば英国など、1998年まで反逆罪については死刑を維持してきていた。それ以外の犯罪については、1965年に死刑廃止となっている。
サッチャー政権時代に、警察官殺しや爆弾テロなど、特に凶悪な事案に対しては死刑を復活しようとしたのだが、議会で多数派の賛意を得るには至らず、断念した経緯もあった。
我々21世紀に生きる日本人が、昭和の戦争から学ぶべきことはまだまだ多いと思うが、残虐行為もそのひとつであろう。ただ、そもそも残虐行為が当時の法理論でどのように理解されていたのか、戦後そうした行為はどのように断罪されたのか、正確な知識を得る努力をしなければならない。そうでないと、移民やマイノリティーに対するイジメのような言動が、本当はいかに危険か、論理的に説明できないからである。
トップ画像:アウシュヴィッツ ビルケナウ強制収容所 出典 Public Domain Pictures.net
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ナチス戦犯アイヒマンの死刑執行人が死去 イスラエル
AFPBB News / 2024年11月28日 8時34分
-
欧州、イスラエル首相逮捕状に戸惑い ハンガリーは招待で対抗 独仏はICC協力明言せず
産経ニュース / 2024年11月23日 10時54分
-
ICC、イスラエル首相らに逮捕状 戦争犯罪などの疑い
AFPBB News / 2024年11月22日 8時3分
-
ヒトラーが生んだ「世界的名車」なぜユダヤ人が協力? 独大企業の飛躍にかつての敵が尽力したワケ
乗りものニュース / 2024年11月10日 18時12分
-
生きるためナチスの密告者になった女性描く『ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女』2月公開
cinemacafe.net / 2024年11月5日 13時45分
ランキング
-
1「僕は無実です。独房で5年半くじけずに闘い続けて良かった」2歳女児への傷害致死罪に問われた父親に『逆転無罪判決』
MBSニュース / 2024年11月28日 18時25分
-
2原発の汚染水処理めぐり12億円を詐取か…64歳の会社役員の男を逮捕 架空の発注があったかのように装った疑い
MBSニュース / 2024年11月28日 19時40分
-
3財源明確化、国民民主に求める=年収の壁で「論点」提示―自公両党
時事通信 / 2024年11月28日 16時5分
-
4194キロ衝突死、懲役8年判決…当時少年の男に危険運転致死を適用
読売新聞 / 2024年11月28日 15時40分
-
5「日本人は大好きだけど、もう限界です…」『ハッピーケバブ』在日クルド人の社長が悲鳴、親日感情をへし折る"ヘイト行為"の実態「理由もないのにパトカーを呼ばれて…」「脅迫めいた電話が100回以上」
NEWSポストセブン / 2024年11月28日 18時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください