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Made in Japanの落とし穴

Japan In-depth / 2018年10月7日 10時55分

Made in Japanの落とし穴


坪井安奈(タレント・編集者・プロモーター)


「坪井安奈のあんなセカイこんなセカイ」


【まとめ】


・「Made in Japanなら売れる」という危険な考え方。


・一方的に自分たちの「おすすめ」を伝えることは「おしつけ」になりかねない。


・ローカライズは相手への配慮、リスペクト。


 


【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て見ることができません。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=42378でお読み下さい。】


 


前回の記事(質か価格か シンガポール和食事情)では、シンガポールでいかに和食が受け入れられ、日常に溶け込んでいるかという話を書いた。今回の記事では、日本のモノゴトを海外へ伝えるうえで私が重要だと感じる「相手へのリスペクト」について書きたいと思う。


2020年の東京五輪も追い風となり、和食をはじめ、日本に注目している外国人はたしかに増えている。そして、それはプロダクトだけに留まらない。災害時にもきちんと順番を守って電車を待つ人々の様子や、サッカーW杯で負けた日本人選手がロッカールームを綺麗に清掃して帰ったエピソードなど、日本人の謙虚さや奥ゆかしさなどが世界で取り上げられることもたびたびあり、日本の文化自体も認められつつあるように感じる。私のシンガポールの友人も、「日本は安くて美味しい食べ物がたくさんある」「日本人の接客サービスは最高だ」とジャパン・クオリティをいつも絶賛してくれる。


自信を持ちづらい国民性であるが故、このような評価をもらって改めて「日本の文化って素晴らしいんだ」「日本人で良かった」と胸を張りたい気分になれる。


ただ、このまま調子に乗ってはいけないと思うのだ。たしかに、日本のプロダクトやサービスのクオリティは高い。職人技と言えるような繊細で高度な技術が必要とされることも多く、それは日本の誇れるものの一つと言えるだろう。


しかし、だからと言って「Made in Japanなら売れる」という考え方は危険だ。近年、さまざまな分野で世界へビジネスの展開を試みる人も増えているが、その際に「日本製」「日本産」「日本人」だけをウリにしているようでは、正直厳しい現実が待っている。せっかくのMade in Japanも、それではただのおごりでしかない。


 


■ 「おすすめ」が「おしつけ」になってはいないか?


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