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トランプ氏は北朝鮮の「感性独裁」に支配されている?

Japan In-depth / 2018年10月7日 18時0分


▲写真 金正恩委員長(2012年)出典:Flickr Vietnam Mobiography


さて、米トランプ大統領は金正恩氏に限りなく好意的だ。9月29日、米南部ウェストバージニア州ホイ-リングの支持者集会でトランプ氏はこう言った。「金正恩氏は私に美しい手紙を書いてくれた。それは素晴らしい手紙だった。こんなことを言って許してくれるだろうか。私たちは恋に落ちたのだ」。これを聞いたほとんどのメディアはジョークと受け取ったようだが、大統領は自ら北朝鮮の陥穽に嵌ってしまったかもしれない。


金正恩委員長はこれまで、明らかになっているだけで4通の手紙をトランプ氏に届けている。すべて絶妙なタイミングでトランプ氏の手元に届き、そのたびに国際社会で高まっていた不信と懸念が、ひとまず収まっている。そして何よりトランプ氏が「美しい手紙」「素晴らしい手紙」と称賛している。



▲写真 金正恩委員長からの手紙を受け取るトランプ氏(2018年6月1日)出典:Shealah Craighead


最初の手紙は6月12日のシンガポール米朝首脳会談の前、北朝鮮高官による「むき出しの敵意」に怒ったトランプ氏が会談中止を発表、金英哲副委員長が6月1日に急遽、訪米した際にトランプ氏に手渡した。手紙は状況を一転させてトランプ氏は「とても素敵な手紙だった。非常に興味深い手紙だった」と満足、シンガポール会談につながった。2通目は一向に非核化が進まないなか、ポンペオ国務長官が7月6、7日に訪朝した。書簡は6日付け(公表は12日)でいつトランプ氏の手元に届いたかは不明だが、雰囲気を変えた。トランプ氏のツィッターに公表されたのは「2国間の新しい未来を期待する」というものでたいした内容ではないが、成果のなかったポンペオ氏訪朝にもかかわらず、トランプ氏は「とてもすてきな手紙だ」とツイートした。



A very nice note from Chairman Kim of North Korea. Great progress being made! pic.twitter.com/6NI6AqL0xt



— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2018年7月12日

▲トランプ氏Twitter 2018年7月12日


3通目は朝鮮戦争参戦の米軍戦死者55柱の遺骨が米国ハワイに到着したその日(8月1日)にトランプ氏に届いた。数時間後にトランプ氏は興奮した様子で「あなたの素敵な手紙に感謝する。すぐに会えるようになることを待っている」とツイートした。そして4通目は国連総会が始まる9月16日で、平壌での南北首脳会談(18~20日)の直前であった。受け取った2日後にトランプ氏は記者団に「金正恩から素晴らしい書簡をもらった。私たちは北朝鮮に関連し、とてつもない進展を成し遂げている」と何度か強調した。手紙の一部は公表されているが、すべてかどうかはわからない。しかし、トランプ大統領の気持ちを揺さぶっていることは確かだ。その手紙が「感性独裁」のプロの手によるものであるのは疑いないだろう。そしてタイミングは偶然であるはずがない。



Thank you to Chairman Kim Jong Un for keeping your word & starting the process of sending home the remains of our great and beloved missing fallen! I am not at all surprised that you took this kind action. Also, thank you for your nice letter - l look forward to seeing you soon!



— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2018年8月2日

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