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「肉屋襲撃」で揺れる仏 ヴィーガン一部過激化?

Japan In-depth / 2018年10月10日 11時0分


※動画:肉屋の店先で死んだ子牛を抱きかかえて動物の権利を訴える反種差別者。 出典:Twitter CNEWS


 


■ 望まれるのは平和な共存


現在、フランスのテレビ局でも、さまざまな動物擁護団体の代表者を招き、肉屋の襲撃について討論がなされています。しかし、各団体は、動物擁護を主張をするものの、もちろん暴力行為については否定しており、団体で行っているというよりも、過激化した一部の誰かによって行われているのではないかと言うことで、なぜこのように破壊行為に至っているのかについては謎のまま。


確かに、フランスではかつて、マクドナルドが「多国籍企業による文化破壊の象徴」に見立てられ店舗が破壊されたこともありますし、農家が、スーパーで外国の野菜が安価で販売されることに抗議してスーパーの駐車場に牛のフンをまき散らしたり、海外からの野菜などがフランスにもちこまれてくることに反対してタイヤをうず高く積み上げ、路上封鎖をしたりすることはよく目にします。また最近では、デモが行われる度にその道沿いの商店が破壊されることも続いています。


そのような環境にいると、一部の「反種差別」を唱える主張者が、主張方法の境界線を見失い、破壊行為に及ぶようになってしまったのではないかとも思えてきますが、実際どうなのかは実行犯のみが知るのみです。


もちろん、暴力行為はフランスでも犯罪であり、その境界線は確実に存在します。マクドナルドを襲撃したジョゼ・ボヴェ氏も逮捕されていますし、デモ中に行われた破壊行為の実行者も逮捕されています。また、フランス南部トレブにあるスーパーでイスラム過激派による銃撃・立てこもり事件で2人が射殺された時に、食肉業者の男性が殺害されたことをめぐって「正義があった」とSNSに書き込んだヴィーガンの女性活動家は、テロリズム擁護の罪で執行猶予付きの禁錮刑判決をくだされています。(参照記事:AFPBB News)



▲写真 ジョゼ・ボヴェ氏 出典:Wikimedia Commons(by Guillaume Paumier)


主張の方法として過激なことがよく行われるフランスですが、暴力・破壊行為は主張・行為の意味が何であれ違法なものは違法であることはフランスでも同じことであり、許されることではありません。主張をすることは自由ですが、その主張を受け入れて実践するかは個人の自由の領域ですので、暴力で強要されることでもありません。望まれるのは平和な共存。フランスの市民、および肉屋の業界団体などからも、一刻も早い解決を望む声が上がっています。


トップ画像:Veggie Pride Paris 2017- Festival Antispéciste 動物の権利を訴える団体のデモ行進(2017年10月7日パリ)出典 Veggie Pride 2018 Photo by JérémyLeguillon


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