三人三様 元横綱の話 スポーツの秋雑感 その2
Japan In-depth / 2018年10月20日 0時5分
その後日本では「若貴ブーム」が起きるわけだが、つい先日、弟の貴乃花親方が相撲界から引退するという報道に接することとなった。言わずと知れた「平成の大横綱」で、たしかに土俵では立派であったが、引退して親方となってからは、どうであったか。
旧弊な理事達からイジメにあったのだと見る向きも多いが、私なりに調べて見た限りでは、最年少の理事という重責を与えられていながら、相撲界の改革という大命題について、具体的な提言をした形跡がないのである。
先代の貴乃花(元大関・貴ノ花)が亡くなった際に、実兄を「花田勝氏」などと呼び、遺産争いが起きていることを示唆しておきながら、その兄(現・花田虎上氏)が、財産は弟にあげる、と明言した途端、口を閉ざしたことを覚えていたので、ファンの方々には申し訳ないが、果たして言われているほどの人格者なのか、などと考えてもいた。
▲写真 貴乃花親方(当時)2014年3月1日 大阪・住吉大社 出典:Ogiyoshisan(flickr)
先日買った『週刊文春』10月18日号で、内閣特別参与の飯島勲氏が、過去にも貴乃花「元」親方に参院選出馬を打診したことがあると明かした上で、「来年夏の参院選に安倍政権の目玉候補として比例代表から出馬する確率は高くなったね」、「こうなったらぜひ政治家に転身し、国技を預かる公益財団法人たる相撲協会の抜本改革に、納得が行くまで突き進んでいただきたいぜ」などと語っているが、脳天気にもほどがあるとは、このことではないか。
と言うより、理事の立場にいた時にできなかった改革を、政治家の立場になったらできるだろうというのは、江戸の敵を長崎で討つよりも見当違いの発想だろう。
人気があればなんでもよい、という発想から脱却することが、相撲界の現状を変えて行く第一歩であり、そのためには、亡き大鵬親方がとなえた「相撲道」の原点に立ち返ることが、なにより必要なのである。
トップ画像:両国国技館 出典:Goki
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