日本の基礎研究衰退 人材、支援資金、留学減少
Japan In-depth / 2018年10月22日 10時25分
嶌信彦(ジャーナリスト)
「嶌信彦の鳥・虫・歴史の目」
【まとめ】
・湯川秀樹を始め日本人のノーベル賞受賞者は非欧米諸国の中で最多。
・ノーベル賞受賞本庶佑京大特別教授は日本の基礎研究弱体化に警鐘鳴らす。
・日本での基礎研究の危機は様々な事例で指摘されている。
【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=42526でお読み下さい。】
日本で初めてノーベル賞を受賞したのは、1949年11月3日(文化の日)の湯川秀樹博士だ。日本が米軍(国連軍)の戦後占領期にあった時期である。まだ敗戦に打ちひしがれている時代だっただけに日本人にとっては、大いに溜飲を下げた受賞だった。私がまだ満7歳の頃で受賞対象となった「中間子理論」などはチンプンカンプンで全くわからなかったが、「日本人は頭がよく優れているんだ」と単純に喜んだものだ。世界の檜舞台で表彰される姿にメディアも興奮して報道していた。
▲写真 湯川秀樹博士 パブリックドメイン
ノーベル賞はダイナマイトや様々な爆薬の開発、生産で巨万の富を築いたアルフレッド・ノーベルによって設立された。スウェーデン人のノーベルは兵器売買で富を築いたため、一部から“死の商人”と批判され気にしていたという。そのせいか、自分の死後は総資産の94%を寄付。その資産でノーベル財団が設立され、前年に人類に対し最大の貢献をした人物に賞金を授けるとした。
▲写真 Alfred Nobel 出典:wikimedia commons
ノーベル賞はノーベルが63歳で死去した1896年から準備され1900年にスウェーデンにノーベル財団を設立、1901年に初めて授賞式が行なわれた。ノーベル賞の部門は物理学賞、化学賞、生理学・医学賞、文学賞、平和賞とされていたが1968年に新たに経済学賞が設けられた。ただしスウェーデン・アカデミーが賛同していないためノーベル賞の名前は使っていない。賞金は800万・スウェーデンクローナ(約8900万円)。これまでに個人の意思でノーベル賞を辞退した人物はジャン・ポール・サルトル(1964年文学賞)と、レ・ドゥク・ト(1973年平和賞)の2人とされている。
■ ノーベル賞受賞の常連になったが・・・
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