アメリカを侵す中国 その2 トランプ政権の最大課題
Japan In-depth / 2018年10月24日 18時0分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視 」
【まとめ】
・トランプ政権外交の切迫した最重要課題は、疑いなく中国。
・習近平政権になり初めて統戦部を大幅拡大、グローバルに機能させるようになった。
・ 中国統一戦線の最大の標的は超大国アメリカ。
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米中関係のこうした現状や中国側の統一戦線工作についてさらに詳述する前に、現在のワシントン全体の状況をまず伝えておこう。
本格的な秋に向かう首都ワシントンで国政を揺さぶる最大の要因といえば、一も二もなく、ドナルド・トランプ大統領である。
文字どおり連日連夜、この型破りの大統領がとる言動は全米を大きく揺らがせる。議会や国民、メディアの側は大統領の政策や発言に反対するにせよ、賛成するにせよ、とにかく揺さぶられ続きである。いつもトランプ大統領が先手先手をとって、あらたな振動や波紋を引き起こすのだ。
反トランプの議会民主党やメディアがそれに反応して、反対の叫び、怒りの動きをみせる。トランプ大統領への悪口雑言の限りさえもぶつけてくる。
一方、大統領の動きに賛成して反トランプの主要メディアを逆に叩く人たちも少なくない。議会の中間選挙を11月にひかえ、その予備選では共和党候補のなかでもとくにトランプ大統領への支持を強く表明した人物に有権者たちのより多くの票が集まるという傾向も顕著だった。いずれにせよ、台風の目はトランプ大統領なのである。
では国際問題はどうか、トランプ政権が主導する外交のうねりなかで、なにが最大の課題だろうか。この答はごく客観的にみて、中国なのである。
アメリカにとって、トランプ政権にとって、対外的な課題でいま最も多くの注意を払い、最も多くの精力を注いで、対策を練る対象といえば、疑いなく中国である。
アメリカが中期、長期に最も強い脅威を感じる相手はいまやイスラム・テロリズムでも北朝鮮でもなく、ロシアでもなく、中国なのだ。こうした認識がコンセンサスとなってきた。その中国自体がアメリカに対してついに正面からに近い挑戦の構えをみせてきたのである。
ではこの中国の膨張に超大国のアメリカとしてどう対応すべきなのか。この議論はトランプ政権の登場の時点からすでに起きていた。
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