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憤る米国、南北同時制裁も

Japan In-depth / 2018年10月25日 10時59分

9月に入っての開城工業団地内の南北共同事務所の開所(14日)、南北鉄道連結事業(着工式11月末か12月初)、板門店宣言の履行に向けた南北軍事合意書履行(11月1日から実施)、韓国の独自制裁に対する解除の動き(10月10日の国会)、これらに対する米韓の立場の違いが鮮明となり、その範囲も急拡大する様相を呈している。


とりわけ9月に平壌(ピョンヤン)で開かれた「9・19南北首脳会談」での軍事分野の合意に米国は極めて強い不快感を持った。この合意内容に対する韓国側からの詳細な事前説明や協議がなかっただけでなく、南北軍事境界線上空を飛行禁止区域に設定したことが深刻だった。


これまで米韓両国軍は、この地域の上空に随時偵察機などを飛ばして北朝鮮軍を監視してきた。これが封鎖されれば、北朝鮮を監視する主要な目が塞がれることになるからだ。米国のポンペオ国務長官は、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官に怒りの電話で詰問したという。


さらに10月10日の韓国国会国政監査で、康京和長官が「5.24措置(2010年の天安艦撃沈に対する対北独自制裁)の解除を検討中」と発言したために米国の怒りはさらに拡大した。中露の動きで弱体化しつつある制裁包囲網に穴があくからだ。この発言には国務省だけでなく、トランプ大統領も即座に反応した。


トランプ大統領は10日(現地時間)、「彼ら(韓国)はわれわれ(米国)の承認なしに(対北制裁を)解除しないだろう」と述べ、国務省は「われわれがその地点(非核化)に早く到達できれば、より早く制裁を解除できるだろう」とコメントし、北朝鮮の非核化前に制裁の解除はしないとの原則を再度明確にした。北朝鮮の非核化が口先だけの状況にある現在、制裁解除を検討するのは早すぎるということだ。


 この日の米国務省の定例記者会見では、記者から「(トランプ)政権内には『韓国は現在進行中の(非核化)プロセスで北朝鮮に傾倒し過ぎている』という認識があるのか」との質問が飛び出した。パラディーノ副報道官は「われわれは緊密に調整している」と答えたが、これに対し、さらに「それは、あらゆる面で同意するという意味ではないのではないか」と質問されると、「われわれ(米韓)は互いに率直に話しているため、さまざまなことを成し遂げる可能性がある」と述べた。外交の世界では「率直に(frankly)話す」という表現は、意見の隔たりが大きいという意味に受け止められる(朝鮮日報日本語版2018/10/11 )。


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