1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

憤る米国、南北同時制裁も

Japan In-depth / 2018年10月25日 10時59分

■ウォールストリート・ジャーナルも米韓対立を報道


 米紙ウォールストリート・ジャーナルは10月18日付で「対北朝鮮政策をめぐって韓国と米国が争っている」と報じた。


 その背景について「韓国と北朝鮮が合意した鉄道の連結、南北共同連絡事務所の設置、文在寅大統領による9月の平壌訪問、文大統領により最近相次ぐ制裁緩和発言などがそのきっかけになった」と指摘した。


 米国でこのような報道が相次いでいるにもかかわらず、韓国外交部は18日「板門店宣言」と「平壌共同宣言」について「これらを実行に移すための努力は国際社会における制裁の枠を順守しながら行われており、そのプロセスにおいて韓米両国は緊密に連携し協議を続けている」と主張した。


また、「トランプ政権の高官が韓国に対し、経済協力のリストと具体的なスケジュールを事前に提示し、制裁に違反する可能性がないことを確認するよう要請した」と指摘した朝鮮日報の報道についても「事実に合致しない。報道の細かい内容や事実関係について細かく言及しない」などとコメントした(朝鮮日報日本語版2018/10/20 )。


最近の韓国政府発表には、不都合な事実を糊塗する傾向があるのでこうしたコメントを鵜呑みにすることはできない。



写真)北朝鮮寄りの姿勢を強める文在寅大統領と金正恩委員長(2018年9月20日 白頭山総合公園)

出典)韓国大統領府facebook


 


2、韓国を北朝鮮側と見切った米国、南北同時制裁へ


 


韓国国内の雇用が大きく悪化し、経済成長が低迷しているにもかかわらず、「南北関係第一主義」で突き進む韓国では、文在寅大統領と南北関連閣僚だけでなく、経済閣僚までが、対北朝鮮制裁緩和促進を優先している。


金東兗(キム・ドンヨン)経済副首相は、国際通貨基金(IMF)や世界銀行の総裁と会談した際、自国の経済をさておいて「北朝鮮は改革・開放を進めているので、国際社会の一員となるよう積極的な役割を果たしてほしい」と要請した。これでは米国が、「韓国は北朝鮮側についた」と判断するのは当然のことだ。


米国だけではない。国際社会も韓国が北朝鮮側についたとの認識を深めている。フランスのルモンド紙は文在寅大統領の欧州歴訪を伝える記事の中で、「文大統領がフランスに来る理由は、北朝鮮の立場を支持するためだ」とはっきり指摘した(朝鮮日報日本語版2018/10/15)。


こうした流れの中で、9月の南北首脳会談直後には米財務省(財務次官)が、駐米韓国大使と韓国の当該機関に通知した上で、ニューヨーク支店で送金・振込・両替などの取引を扱っている韓国の産業、企業、国民、新韓、農協、ウリィ、ハナのそれぞれの銀行に電子メールと直接の電話を通じて、対北朝鮮制裁を順守するよう要請(警告)していたことが(韓国の国会国政監査過程で)明らかになった。


米財務省は、現状を確認した上で「あまり先走るな」という趣旨の要請を強い口調で伝えたが、要請を受けた銀行は震え上がったという。もし(韓国の銀行が)北朝鮮との取引に関与すれば、米国政府の制裁対象になる恐れがあるからだ。


これまで米国は、相手を明確にせず「北朝鮮に対する制裁を緩めてはならない」と何度も警告してきたが、最近はこのようにその対象が韓国であることを隠さなくなった。


北朝鮮に対する制裁を巡っての相次ぐ一連の出来事は、米国が韓国を事実上の「制裁の抜け穴」と考え、「南北同時制裁」に踏み切る覚悟を見せたものと解釈される。


 

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください