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アメリカを侵す中国 その5 中国工作員が米名門大に浸透

Japan In-depth / 2018年10月30日 11時3分

 


 



 ・大学が招く講演者や、催す行事について苦情を述べた。


 ・中国が神経を過敏にする課題についての教育を止めさせるよう圧力をかけるか、あるいは懐柔を図った。


 ・中国側の要求を容れない場合に、その大学が中国側と交わしている学生交換などの計画を中止すると威嚇した。



 


 同報告書によると、中国側が苦情の対象とするのは、チベットのダライ・ラマの招待や中国政府のチベット抑圧の講義、新疆ウイグル自治区でのウイグル民族弾圧についての講義、台湾を重視するような講義や集会に始まり、中国政府の国内での人権の抑圧や国外での無法な領土拡張などに関する講義や研究だという。



写真)ダライ・ラマ法王 出典)チベットハウスジャパン


 同報告書はさらに「在米の中国外交官たちはアメリカの大学の特定の教職員に対して個人の安全を脅かすような言動をもとった事例が多い」と述べ、「外交官」のなかには情報機関の工作員がいて、中国側の要求に応じない米側の学者や研究者に対して私生活に踏み込むまでのいやがらせ行為や威嚇行為をとった例もある、と記していた。


 


 同報告書はまた現在、合計35万人とされるアメリカの大学、大学院への中国人留学生の一部が中国政府の意向を受けた形でアメリカ側の大学の教育や研究の内容に抗議して、米側の学問の自由を侵害した実際のパターンとして以下の事例をあげていた。


 



 ・大学側に中国当局の嫌う研究や講義の中止を求めた。


 ・大学側の中国についての特定の展示や行事の撤去や中止を求めた。


 ・大学側に中国政府が嫌う人物を外部から招くことの中止を求めた。


 ・大学側に中国政府が嫌う主張をする特定の教職員への非難を伝えた。


 ・大学の講義で一般の中国留学生が中国に関する政治問題でどんな意見を述べるかを中国の大使館や領事館に定期的に通報した。



 


 


 同報告書は上記のような中国人留学生の言動も政治的な動機によるアメリカ側の大学の教育や研究の自由への不当な侵害だと批判していた。同報告書はさらに中国人留学生や中国大使館員がこうしてアメリカの大学に圧力をかける際、孔子学院が重要な役割を果たすことも指摘していた。


 


 ちなみにアメリカのかなりの数の大学に設けられた孔子学院は中国政府の意向を米側大学当局にぶつけるような事例が出て、昨年ごろから米側の批判を浴びるようになった。議会でも孔子学院追放の声があがった。それを受けたような形で連邦捜査局(FBI)長官が議会で「孔子学院に対して刑事事件捜査を始める」とまで言明した。この話題の孔子学院もすでに述べたように統一戦線の一翼なのである。


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