中間選挙目前、トランプ死に物狂い
Japan In-depth / 2018年11月6日 17時58分
宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)
「宮家邦彦の外交・安保カレンダー 2018 #45」
2018年11月5-11日
【まとめ】
・韓国徴用工判決は法的安定性を欠き、受け入れがたい。
・米中間選挙直前、トランプ死に物狂いの政治パフォーマンス。ロシアゲート問題を含め与野党の攻防も激化か。
・独メルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)党首退任は予想通り。
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先週、ワシントンに出張した。過去半年で3回目の訪米だったが、行けば行くほど、あの国がよく見えなくなると感じる。明日(日本時間6日夜)は中間選挙の投票日だが、これまでは見通しを聞かれても、「判りません」と答えてきた。しかし、今日はそうもいくまい。下馬評通り、下院を民主党が、上院を共和党が制するという前提で、感じたことを書こう。
出発前、渋谷のハロウィーンが大混乱に陥ったこともあり、到着日の夜はジョージタウンのハロウィーンを見に行った。結論から言えば、トラックをひっくり返したり、酔って大騒ぎをする若者は皆無。当然だろう、ウィスコンシン通りとM St.の交差点はDCの警察が完全にコントロールしていた。あそこで騒げば間違いなく逮捕されるだろう。
流石は米国、ハロウィーンは静かだったと書こうと思ったら、ニューヨークでは仮装した何者かが市民を射殺したという。流石は米国だ、ジョージタウンを警備する警官も、ニューヨークで殺人を行う犯人も、いずれも銃を持っているんだから。要するに、平和な日本と米国を比較しても仕方がないという、実にお粗末な結論である。
写真)ニューヨークのハロウィーン
出典)NYPD News Twitter(ニューヨーク警察ツイッター)
さて、本題に入ろう。先週ワシントンでは様々なニュースが飛び込んできたのだが、いずれも「ショックだが、驚かない」ものばかりだった。ピッツバーグのシナゴーグでは11人のユダヤ系米国人が射殺された。ドイツではメルケル首相が次期党首選に出馬しないと発言した。いずれも予兆があったから、「ショックだが驚かなかった」のだ。
しかし、筆者にとっての極めつけは、やはり韓国最高裁の徴用工判決だ。流石の日本人も、ここまでやられれば黙ってはいられない。韓国法曹界には「法的安定性」という発想がないのか。韓国は確かに民主主義国家だが、「法の支配」となると、まだ発展途上国なのかもしれない。これについては今週木曜日の産経にコラムを書いた。
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