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ねじれた米国「トランプ劇場」続く

Japan In-depth / 2018年11月14日 0時42分



訳:確固たる政策や理念を掲げて、私とともに素晴らしい中間選挙を戦ってくれた人々、よくやってくれた!そうでない人々よ、グッバイ!昨日は大勝利だった!卑劣で敵対的なメディアにも負けず!



▲出典:Donald J. Trump Twitter


今回最も驚いたのは、50%近い投票率の高さだ。普通日本のマスコミは中間選挙などに関心を示さないが、今回は関心の度合いが違った。先週は金曜日朝からラジオが一本、午後は大阪で録画が二本、東京に戻って深夜に「朝まで生テレビ」、更に土曜日は朝のニュース番組と生出演が続いた。中間選挙でこれほど忙しくなるとは。


最後に、これから米国の内政外交で何が起きるかにつき筆者の見立てを書く。


内政的には混乱が一層深まるだろう。中間選挙後にはロシアゲート特別検察官による容疑者の立件と起訴、年内の最終報告書作成などが予想されていた。トランプ氏から見れば、ここでモラー特別検察官を解任したいのだろうが、そのために司法長官を解任したのであれば、共和党内の数少ない良識派をも敵に回すことになるだろう。


司法省内で捜査活動を制止できても、民主党が多数派となった下院での動きは止められない。これからは下院のあらゆる委員会で、公聴会、召喚状、宣誓証言といった言葉が乱れ飛び、トランプ氏の身内や側近が多数、公開火炙りの刑に服するだろう。当然法律は成立しなくなり、議会は普通のねじれ以上にねじれるはずだ。



▲写真 7日、司法長官に任命されたマシュー・ウィテカー氏 出典:アメリカ司法省ウェブサイト


問題は外交だが、トランプ氏にこれまでの強硬姿勢を変える理由はない。というか、彼はこれしかできないのだから。当然、貿易では日欧に対し引き続き大幅譲歩を迫るだろう。しかし、トランプ外交の優先順位はイランと中国だ。中国とは仮に手打ちがあっても、直ちにその次のラウンドが始まる。米中の死闘はまだ始まったばかりだ。


筆者が最も懸念するのは混乱した内政が突拍子もない外交政策を生む恐れだ。このままではロシアゲートでワシントンは大混乱となりかねない。追い詰められたトランプ氏が、これまであまり真面目に取り組んでこなかった分野で、お得意の「目くらまし」戦術を繰り返す可能性は否定できない。


その典型例が、第二回米朝首脳会談開催と朝鮮戦争「終結宣言」という誘惑である。トランプ氏にはその誤りの大きさが理解できないかもしれない。今のところ、トランプ氏以外の閣僚・補佐官は常識的な動きを示しているが、大統領が決断すればすべては一瞬にして変わるだろう。その時が来ないことを神に祈るしかないかもしれない。


申し訳ないが、現在名古屋に出張中で、原稿執筆時間が足りなくなった。今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。


トップ画像:中間選挙についての記者会見(11月7日、ホワイトハウス)出典:Flickr Photo by The White House


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