偽「クーデター情報」で軍情報機関掌握図った文政権
Japan In-depth / 2018年11月20日 22時24分
朴斗鎮(コリア国際研究所所長)
【まとめ】
・文氏が指示した保守派壊滅の為の「クーデター謀議」捜査不発。
・「積弊清算」名目で保守派を追い込む検察の過剰な❛政権忖度❜捜査。
・デマ情報流布の先頭に立つ韓国テレビ局と日本ジャーナリスト。
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韓国政府は文在寅大統領自らが先頭に立って北朝鮮擁護を続けている。そればかりか金正恩擁護に反対する韓国内保守派を壊滅するために、2017年3月の朴槿恵前大統領弾劾時に、韓国軍が朴槿恵親衛クーデター謀議を推進したとして大々的捜査を行ってきたが、それが全く事実無根であったことが明らかとなった。
■クーデター騒動、泰山鳴動鼠一匹
文在寅大統領は、今年4月に「クーデター文書」なるものの報告を受けて2カ月が経った海外歴訪中、突然「国の安全に関わる」として捜査チームを立ち上げるよう特別の指示を下した。
検察と軍検察から37人を集め7月に組織された合同捜査団は、104日かけて朴槿恵前大統領、金寛鎮(キム・クァンジン)前安保室長、ジョ・ヒョンチョン前機務司令官(機務司令部は韓国軍の情報部隊)など204人に対して取り調べを行った。陸軍本部、大統領記録官にも家宅捜索を行った。しかし「内乱陰謀」や「クーデター未遂」に関する証拠や証言は全く見当たらなかった。
結局11月7日になって合同捜査団は捜査を中断すると発表した。前機務司令官が海外での事情聴取に応じないため、真相把握が難しいというのがその表向きの理由だが、事実上の無嫌疑処分である。当初から根拠がないと見られていた捜査であったために当然の帰結であった。ただ虚偽公文書作成という全く別の取るに足らない容疑で機務司令部将校3人が拘束された。
しかしこの間に機務司令部は対北朝鮮宥和派に入れ替えられ、米国に気を使う国防長官も交代させた。文大統領の最低限の目的は達せられたということだ。
■大騒ぎした文書は単なる「図上計画」
機務司令部が作成した「戒厳令文書」は、簡単な「図上計画」であって「ろうそく勢力」壊滅の実行計画ではなかった。このいわゆる「戒厳文書」は、朴槿恵弾劾を主張する勢力はもちろん、弾劾に反対する勢力による暴動などにも備える非常計画と法的手続きを検討するものだった。だが実際にそのような最悪の事態は起こらず、文書は書類だけで終わった。
しかもこの文書の作成は国防部の会議で事前に検討され、韓国軍は文書を保管までしていた。そもそも公開の会議でクーデターを検討し、内乱陰謀に関する文書を廃棄せず、保管までするという馬鹿げた「クーデター計画」などこの世にある訳がなかったのだ。
検察が政権の意向を忖度しストーリーをつくって捜査した過剰捜査は今回だけではない。文在寅政権になって保守勢力壊滅のために多くの人を「積弊清算」の名目で追い込んでいる。だが、大部分が無罪で釈放されたり、職権乱用の疑いを適用されるにとどまっている。
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